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  1. 山梨県議会 2020-06-01
    令和2年6月定例会(第2号) 本文


    取得元: 山梨県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-11
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和2年6月定例会(第2号) 本文 2020-06-23 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 31 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長山田一功君) 2 ◯浅川力三君 3 ◯議長山田一功君) 4 ◯知事長崎幸太郎君) 5 ◯議長山田一功君) 6 ◯福祉保健部長小島良一君) 7 ◯議長山田一功君) 8 ◯農政部長坂内啓二君) 9 ◯議長山田一功君) 10 ◯教育長斉木邦彦君) 11 ◯議長山田一功君) 12 ◯浅川力三君 13 ◯議長山田一功君) 14 ◯議長山田一功君) 15 ◯大柴邦彦君 16 ◯議長山田一功君) 17 ◯知事長崎幸太郎君) 18 ◯議長山田一功君) 19 ◯スポーツ振興局長赤岡重人君) 20 ◯議長山田一功君) 21 ◯県民生活部長丹澤尚人君) 22 ◯議長山田一功君) 23 ◯福祉保健部長小島良一君) 24 ◯議長山田一功君) 25 ◯産業労働部長中澤和樹君) 26 ◯議長山田一功君) 27 ◯教育長斉木邦彦君) 28 ◯議長山田一功君) 29 ◯大柴邦彦君 30 ◯議長山田一功君) 31 ◯議長山田一功君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長山田一功君)これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。  日程第一、知事提出議案第六十五号議案ないし第七十四号議案、承第一号議案及び承第二号議案を一括して議題といたします。  これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての代表質問を行います。  この際申し上げます。  今定例会においては、本会議への出席に当たっては、原則としてマスクの着用をすることとしておりますが、質問、答弁で登壇する際や飛沫感染防止対策を行っている場所での発言は、非着用も可としておりますので、御了承願います。  発言の通告により、浅川力三君に四十分の発言を許します。浅川力三君。        (浅川力三君登壇)(拍手) 2 ◯浅川力三君 私は、自由民主党誠心会浅川力三です。自民党誠心会を代表して質問をいたします。  質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、感染された方々に心からお見舞いを申し上げます。  また、感染リスクと背中合わせの過酷な環境の中で、強い使命感を持って御尽力いただいている医師の皆様看護師皆様、全ての医療関係皆様、本当にありがとうございます。  時に、四月二十一日御逝去された横内正明知事を悼み、謹んで深甚なる哀悼の意を表します。  横内元知事政治姿勢は、私たちに歩むべき政治の道を示されたものであり、県政発展のために果たされました比類のない御功績に対しまして、感謝を申し上げ、衷心より御冥福をお祈り申し上げます。  さて、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスについては、地域社会、経済、子育て、教育など、あらゆる分野に大きな影響をもたらしております。  今、本県では、リニア中央新幹線中部横断自動車道東京オリンピック・パラリンピックなどの国家的なプロジェクトが進行しており、未来への展望が開けております。  こうした好機を山梨の未来への飛躍に生かすには、新型コロナウイルス影響を早期に収束させ、収束後の反転攻勢に強力に取り組むとともに、コロナ後の時代をしっかりと見据えながら、今ある県政課題を着実に解決へと導いていかなければなりません。  長崎知事におかれましては、停滞から前進へという熱い思いを胸に就任されてから、はや一年五カ月が過ぎようとしています。就任以来、スピード感を持った県政運営により、中部横断自動車道建設費県費負担の大幅な削減など、既に目に見える大きな成果を上げられております。  また、先月には、新型コロナウイルス影響長期化を見据え、超感染症社会への移行戦略を公表するなど、山梨を明るい未来に向け、豊かさと幸せが実感できるやまなしの実現に、全身全霊で取り組んでおられます。  私は、何事に対しても誠意、熱意、創意、勇気を持って熱き心で行動してまいりました。  感染症の対応を余儀なくされる困難な時代を迎え、山梨を大きく前進させるため、今後もこの気持ちを忘れることなく、知事とともに全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げ、以下、質問に入ります。
     初めに、超感染症社会への移行戦略についてであります。  新型コロナウイルス感染症は、世界中感染者の増加が続くなど、いまだに衰えを見せておりません。今のところ決定的な治療方法やワクチンがないため、不要不急外出自粛感染リスクが高い施設への休業要請など、感染の契機となる人と人との接触機会を減らし、感染拡大を抑えながら、医療崩壊を防ぐ方針がとられてきました。  こうした手法により、新たな患者の発生は少なくなりましたが、ウイルス自体が消滅したわけではなく、今後、第二波、第三波の流行も危惧されております。  新型コロナウイルスが、これからの社会を変える大きな転換点となることは疑いようがなく、今後は感染症とともに生きることを前提に、生活様式事業活動のあり方を見直すことが求められています。  こうした中、知事は、休業要請を行った施設について、県内の業界団体などが感染拡大を予防するためのガイドラインを作成し、これを遵守している施設については、休業要請を解除する仕組みをいち早く導入しました。  その後、国でも業種ごとにガイドラインを策定するよう指導が行われていることを見ても、本県の取り組みは将来を見越したまことに先進的なものと、大いに評価するものであります。  そこで、知事は、生活と経済の両輪をとめることなく前進し続けることができる超感染症社会への移行を目指すとし、「山梨グリーン・ゾーン構想」を掲げておりますが、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波に備えた体制整備についてであります。  本県における新型コロナウイルス感染症の対応は、知事の強力なリーダーシップと、県民や事業者の我慢と努力により、第一波を乗り越え、現在新たな感染者の発生は低水準にとどまっております。  一方で、世界に目を向けると、南米や中近東などでは感染拡大が続いており、再燃するリスクがなくなったわけではありません。  また、国内では、先月二十五日に緊急事態宣言が解除されたことにより、経済活動が再開し、人の動きも徐々に従来の姿に戻りつつあります。このため、一たび気を緩めれば、再度感染が拡大して、第二波が発生するのではないかと強い危機感を持っております。  今回の新型コロナウイルスは、スペイン風邪以来ともいえる百年に一度の災害であり、国も県も暗中模索の状態での対応を迫られてきました。  ここで大切なことは、これまでの対応を踏まえ、第二波の発生に備えた準備を着実に行うことであります。  具体的にまず第一は、検査による確実かつ素早い感染者の特定です。山梨大学の島田学長は、感染を封じ込めるには、PCR検査の拡充による感染者の早期発見と早期隔離が必要であると主張されています。私も、ここが対策の肝だと考えています。  二点目は、感染拡大局面の的確な察知と先手の対応です。本県での第一波の状況を振り返ると、三月末から感染者がふえ始め、その後、短期間で一気に感染が拡大したのは記憶に新しいところです。  東京都では、先月、新型コロナウイルスを乗り越えるためのロードマップを策定し、今月、二日には感染拡大の兆候を捉え、東京アラートが発動されました。こうした警戒基準を事前に決めて、いざというときには、ちゅうちょなく外出自粛などの行動制限を求めていくことが、感染拡大の抑制の鍵になると考えます。  三点目は、感染爆発時であっても、しっかりと治療を受けられる環境の確保です。他県では、自宅療養を指示された感染者が亡くなるという痛ましい事例も発生しました。感染しても必要な医療が適切に受けられることこそ、県民が最も望んでいることであります。  そこで、こうした点を踏まえ、第二波、第三波に備えた体制整備にどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、リニア開業とポストコロナを見据えた取り組みについてであります。  知事は、本年三月、二〇二七年のリニア中央新幹線開業を見据えた山梨が目指す姿や、その実現に向けて取り組む施策の基本的な指針となるリニアやまなしビジョンを策定しました。  策定に当たり、私が委員長を務める中央リニア新幹線建設促進県議会議連の研究委員会を中心に調査研究を重ね、知事に提言を行ってきました。  本年度は、こうして作成されたビジョンを実行に移す大事な年でありましたが、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、そのスタートに水を差されることになりました。  また、過日、JR東海から、静岡工区の準備工事を今月中に再開できなければ、二〇二七年の開業が難しくなるとの先行きに不安を感じさせる発言がありました。  JR東海、静岡県並びに国土交通省が計画どおりの開業に向けて協議を円滑に進められることを、私は切に願うものであります。  一方、新型コロナウイルス感染症は、経済、文化、教育を初め、あらゆる分野に急激な変化をもたらしました。民間の調査でも、東京都におけるテレワークの導入率が、本年三月の二三・一%から一カ月間で四九・一%と、二倍以上、およそ半数に拡大するなど、働き方は大きくさま変わりしております。  こうした中、知事はこのような変化を敏感に捉え、やまなしグリーン・ゾーン構想に加え、これをより前進、進化させる本県の向かうべき方向性を議論することとし、先般、やまなし自然首都圏構想研究会を立ち上げました。そこで、リニア開業とポストコロナを見据えた今後の取り組みについて、知事の所見を伺います。  次に、防災・減災、国土強靱化への取り組みについてであります。  近年、気候変動の影響などにより、全国各地が自然災害の頻発、激甚化の脅威にさらされております。私はこうした自然災害に事前から備え、県民の生命、財産を守るための防災・減災、国土強靱化対策は、その重要性が増しているものと考えております。  県内では、昨年十月の台風十九号により、中央自動車道や国道二十号、JR中央線など、本県と隣接する都県を結ぶ大動脈が、土砂崩れや橋の損傷などにより分断され、県民生活に大きな影響を与えたことは記憶に新しいところであります。  私の地元、北杜市内では、第二次緊急輸送道路である県道茅野北杜韮崎線、長坂上条のJR中央線立体交差部や、小荒間長坂停車場線、JA梨北小泉支所前交差点などや、県道日野春停車場線の須玉町若神子地内は、交通の隘路となっていたほか、横手日野春停車場線、駒城橋は、老朽化とともに現行の耐震性能を満たしていない橋梁となっております。  住民の方々とともに要望を重ねた結果、その対策に着手することになったと承知しておりますが、県土強靱化防災・減災対策としても、こうした箇所の対策は必要かつ急務であります。  私が所属する自民党県連では、国土強靱化対策の促進を図るため、本年二月六日、自由民主党山梨県連国土強靱化議員連盟を発足したところであり、市町村議会とも連携を図り、国への施策提案や要望活動など、県が行う防災・減災対策を強力に支援していく考えであります。  本県は、急峻な地形と脆弱な地質という災害素因を多く抱え、対策が必要な箇所は非常に多いと思います。安定的かつ継続的に防災・減災対策を進めていくためには、私は事業予算の確保のほか、事業着手前の調査などが必要であると考えております。  そこで、県における防災・減災対策の取り組みの状況と県土のさらなる強靱化に向けた知事の決意を伺います。  次に、中部横断自動車道の整備についてであります。  中部横断自動車道は、太平洋と日本海を結び、日本列島の新たな横断軸として、臨海地域と内陸地域の緊密な連携、物流体系の構築、交流拡大、広域観光などを促進し、沿線地域の産業や経済活動、観光振興などに重要な役割を果たす高速道路であります。  また、国土強靱化の観点からも、災害時の代替道路や救援物資の輸送支援など、命の道として一層重要性は増しております。  昨年、十一月に富沢インターチェンジから南部インターチェンジ間が開通し、この区間は工事費の増加による多額の県負担が大きな課題でしたが、昨年、長崎知事は、県の負担額をほぼ解消する手腕を発揮されました。  私も、静岡県が近くなったことを実感しましたが、全線開通は、さらに本県の将来に大きな期待を抱かせるものであります。  一方、唯一未着工である長坂から八千穂間について、昨年、地域の方々の整備を切望する声や、住民代表の要望活動、そして知事を先頭とした国への積極的な働きかけが実を結び、環境衛生評価の手続が開始され、事業の実施に向けて大きく前進しているのを実感しております。  沿線地域では、八ヶ岳南麓の自然環境や景観に対するさまざまな意見があり、これから実施される都市計画決定に向けては、地域の方々の言葉に耳を傾けながら、丁寧に進めていくことが肝要であると考えます。  また、今年度は富士山の東側で、静岡県とつながる国道百三十八号、須走道路御殿場バイパスの開通も予定されており、中部横断自動車道とあわせ、中央自動車道とのクロスポイントとなる本県の優位性の効果を県内全体に波及させるためにも、長坂から八千穂間の整備は喫緊の課題です。  そこで、中部横断自動車道の長坂から八千穂間における早期事業化に向けた県の取り組みについて伺います。  次に、東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を見据えた取り組みについてであります。  本年三月、国際オリンピック委員会が臨時の理事会を開催し、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京オリンピック・パラリンピック大会の延期が決定されました。  県自転車競技連盟会長として、自転車競技ロードレースの招致にかかわってきた私にとって、今回の延期は本当に残念であります。しかし、下を向いていても仕方なく、開催までの時間を生かせるよう、取り組むべきであります。  もとより、オリンピック自転車競技ロードレースのコースに県内が選ばれた効果は、既にあらわれております。国内外のサイクリストに対する本県の知名度は飛躍的に向上し、道志村や山中湖村には多くのサイクリストが訪れております。  昨年六月の、私が大会会長を務めるマウント富士ヒルクライムにおいても、県のPRブースは、多くの人でにぎわい、関心の高さが感じられ、新たな地域資源が誕生したと言っても過言ではありません。  また、オリンピアンやパラリンピアンの動向が、テレビ、新聞などにおいて連日のように伝えられるなど、国民のスポーツへの関心は、これまでにないほど高まってきています。  こうした効果を生かして、一年後の自転車競技ロードレースの観客の増加や、今後の本県の活性化につなげていくことが、極めて重要であります。  そこで、東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を見据え、今後、どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、がん対策の推進についてであります。  私は、これまでの議員活動において、肝炎・肝がん対策をライフワークとし、その経験を生かし、本県初の議員提案条例であるがん対策推進条例の制定に取り組むなど、がん対策に積極的にかかわってまいりました。  かつて、完治が困難であったC型肝炎については、県立病院機構の小俣政男理事長の多大な功績により、画期的な新薬が開発され、それまで苦しんでいた大勢の方々にとって、肝炎は完治する時代が到来したものとして、大きな希望を与えました。  がんについても、医療技術などの進歩により、不治の病から長くつき合う病気へと変わりつつあります。入院期間は短くなり、通院治療を受ける患者が増加しております。  こうした中、患者の四人に一人は働く世代であることから、がんと共生し、自分らしく生き生きと生活していくためには、治療と仕事を両立できる環境づくりが、極めて重要になってきております。  一方、治療を受けながら仕事を続けるには、事業者の理解が不可欠ですが、中小企業が多い本県では、多様で柔軟な働き方を支援する就労環境の整備が難しい状況にあります。  がん患者の中には、身体への負担や職場への影響を心配して、みずから退職するケースや働きながら治療を継続する環境が整わないため、離職に至るケースもあると聞いています。  治療や、それに伴う副作用などの影響は、人によってさまざまであり、患者の状況に応じたきめ細やかな対応が必要であります。  がん対策推進条例では、事業者に対し、がんに罹患した従業員が安心して治療を受け、療養できる環境整備を促しています。私は、企業にとっても、こうした職場環境を整備することは、働く意欲、能力のある人材確保につながり、大きなメリットがあると考えます。  そこで、がん患者が働きやすい職場環境づくりをさらに推進するため、どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、太陽光発電施設に対する指導の強化についてであります。  国は、平成二十四年に固定価格買い取り制度、いわゆるFIT制度を導入して以来、太陽光発電は全国的に拡大してきました。  日照時間に恵まれた本県でも、事業用の太陽光発電施設の設置が急速に進み、それに伴い防災や景観、環境などに関するさまざまな問題が顕在化したことから、県は適正導入ガイドラインを策定し、事業者の指導を行ってまいりました。  回収価格の下落などにより、新たな事業計画は減少傾向にありますが、県内には事業計画の認定を受けたものの設置工事が行われていない、いわゆる未稼働の施設が三千件以上もあります。  こうした未稼働の施設については、原則として本年三月末が運転開始期限とされ、期間を超過した分だけ、買い取り期間が短縮されることとなっておりましたが、今月上旬の法改正により、今後はさらに一定期間を経過した場合は、事業計画の認定が失効になるものと承知しております。  このことにより、駆け込み的に半ば強引に計画を進める事業者が急増し、住民とのトラブルが多発するのではないかと、私は強い危機感を抱いております。  県内では、既に多数の施設が稼働しており、私は発電を終えた太陽光パネルなどが放置されることなく、適切に撤去処分されることが重要であると主張してきましたが、この問題については、国において処分費を強制徴収する制度がようやく新設されたところであります。  また、近年、自然災害により、太陽光発電施設が被災するケースが増加しており、事業期間が長期にわたる太陽光発電事業では、土砂崩落や強風による損壊等、大きな不安を感じている住民も多いことと思います。  こうした住民の不安を払拭するためには、地域の実情を把握している県や市町村が主体となって、事業者への指導を強化し、日ごろの維持管理を徹底させなければなりません。太陽光発電施設を取り巻く状況は、今、大きな曲がり角に来ており、強制力のないガイドラインによる指導では、十分な対応ができないのではないかと危惧しております。  私は、これまで太陽光発電施設が地域の理解を得て整備され、また長期にわたり適切に維持管理されていくためには、条例による規制が必要であると強く訴えてきましたが、こうした現状を鑑みると、これまでにも増して条例による規制の必要性が高まってきているものと考えますが、所見を伺います。  次に、メディカル・デバイス・コリドー推進センターについてであります。  医療機器関連産業の振興策について、長崎知事は昨年十二月に医療機器生産金額で、全国最大の静岡県との連携協定を締結した上で、三月には推進計画を策定し、関連予算の計上に至っております。  私は、この間の取り組みについて、長崎知事の手腕を高く評価するものであります。医療機器関連産業は、市場規模が約三兆円と非常に規模が大きい上、今後も安定的な成長が見込まれる産業分野であります。  また、新型コロナウイルス感染症対策として、医療機器の国内増産が求められている新たな状況も発生してきており、本産業の活性化は、基幹産業の育成という面に加え、医療提供体制の充実強化への貢献といった意義もあわせ持つことになったと考えております。  さて、去る六月一日には、県内企業を支援する専門組織として、メディカル・デバイス・コリドー推進センターが、やまなし産業支援機構内に開所されました。  医療機器関連産業は、中小企業にとって魅力は大いに感ずるものの、参入はなかなか難しい分野と考えられがちであります。  これは、本産業の専門性が参入障壁となっているためであり、専門的な支援組織により、適切な助言が得られれば、企業の参入意欲は格段に高まるものと考えられます。  私は、センター設置は本県の医療機器関連産業に、新たな展開をもたらす画期的な取り組みになるものと期待しております。  そこで、メディカル・デバイス・コリドー推進センターの組織体制のほか、センターとしてどのように支援を展開していくのか、伺います。  次に、反転攻勢に向けた観光振興の取り組みについてであります。  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大影響により、本年五月の訪日外国人数は、わずか千七百人にすぎません。本県においても三月の県内延べ宿泊者数は、前年に比べて六三・一%減の二十九万人となりました。また、ゴールデンウイーク中の主要観光地の観光客数も、前年に比べて一日当たり九八・三%減と衝撃的な減少であります。  こうしたことから、四月、五月の宿泊者は三月をさらに大きく下回ることが確実であり、本県の観光産業が受けたダメージは、はかり知れず、未曽有の事態であります。  しかし、明けない夜はなく、やまない雨はありません。国は収束への道筋が見えてきたとし、この夏にも観光、運輸、飲食、イベントなどを対象に官民一体型による総額一兆六千七百億円余りの国内需要喚起キャンペーンを実施するとしております。  また、九月には、これまで開催が延期されていた国内最大規模の馬術大会である全日本ジュニア障害馬術大会が北杜市の県馬術競技場で開催されるという明るいニュースも届いております。  民間会社の調査によれば、新型コロナウイルス収束後には、国内観光を主体とする回答が全体の約半数を占めており、これまでインバウンド観光客による混雑を敬遠していた日本人観光客を新規開拓する千載一遇の好機であります。  これから、国内の観光需要が奪い合いとなる中、多くの日本人観光客に本県を訪れていただけるよう、しっかりと準備し、さまざまな施策をスピーディーに展開しなければなりません。  そこで、反転攻勢に向けた観光振興について、どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、美術館・博物館を活用した八ヶ岳南麓の観光振興についてであります。  昨年十二月、日中の相互交流を促進するため、二階俊博自民党幹事長、赤羽一嘉国土交通大臣の御臨席を賜り、観光庁長官や中国文化観光部副部長など、日中の政府関係者や旅行業界などのトップ、約三百名が一堂に会した第一回日中観光代表者フォーラムが、長崎知事御出席のもと、北杜市で開催されました。  両国の観光交流の発展に新たな一ページを開く、このハイレベルの国際会議では、日本と中国との交流に尽力された平山郁夫画伯のシルクロード美術館や中国人観光客に人気の高いサントリー白州蒸留所、名水が育む日本酒の酒蔵など、北杜市内の自然や文化、芸術の魅力を、中国の業界トップにお伝えすることができたことは、大変有意義でありました。  これまで、本県には多くの外国人観光客が訪れていますが、そのほとんどは富士山のある富士北麓地域であり、八ヶ岳エリアへの呼び込みは、大きな課題であります。  八ヶ岳南麓地域には、すばらしい山岳景観に加え、文化芸術資源が数多く存在しております。日本遺産として知られるとおり、国内屈指の縄文時代の遺跡の宝庫であり、芸術的で個性豊かな土器や土偶が数多く発見され、多くの芸術家やクラフトマンが集まっています。  さらに特筆すべきは、四十は超えるであろう大小さまざまな美術館や博物館があり、中には世界的に名高いコレクションを所蔵する美術館もあることです。  国では、本年四月、美術館・博物館などを中核として、観光振興に取り組む地域を支援する文化観光推進法を制定しました。折しも県では今年度から、観光行政と文化行政を一体的に推進する観光文化部を設置したところでもあります。  八ヶ岳南麓のまだ知られていない美術館などの魅力を、国内外の多くの方々に知っていただき、地域の文化芸術資源とともに活用することで、落ち込んだ観光産業を早期に回復軌道に乗せることも期待できます。  そこで、この地域ならではの美術館や博物館を観光振興のために積極的に活用できることが必要と考えますが、所見を伺います。  次に、ワイン県の確立について、幾つか伺います。  まず、ワイン県やまなしの認知度向上についてであります。  本県は、日本ワイン発祥の地であり、その生産量、ワイナリー数もまた日本一であります。さらに、本県特産で日本固有のブドウ品種である甲州でつくられた甲州ワインは品質が高く、日本食に合うワインとして、海外からも注目を集めています。
     昨年八月、県は本県のワインのポテンシャルの高さを、広く県内外に認知させていただき、県産ワインのさらなる発展を図るため、ワイン県を宣伝するなど、県産ワインを中心とした観光振興に取り組んでおります。  しかしながら、現状では、新型コロナウイルス感染拡大影響により、県産ワインの消費は大きく落ち込んでおり、ワイナリー各社は厳しい経営環境に置かれています。  今後、観光を軸として反転攻勢に打って出るためには、ワイン県をPRの旗頭として活用し、他県との差別化を図ることが有効であると考えます。  また、本県を訪れた観光客に、ワイン県らしいプロモーションを用意することで、リピーター化や口コミなどにより、さらなる誘客が期待できます。  そこで、ワイン県の認知度向上にどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、醸造用ぶどうの生産振興についてであります。  ワイン消費が落ち込む中、日本を代表するワイン産地である本県が、今後もワイン県として輝き続けるためには、将来を見据えた生産体制の強化に取り組むことが重要であります。  しかしながら、大手ワイナリーが長野県内に醸造所を新設したり、北海道に醸造用ぶどうを栽培する圃場を開設するといった話を聞くにつけ、ワイン産地としての本県の優位性を脅かしかねないのではないかと、危機感を募らせています。  こうした中、県では、ワイナリーや農業などに対し、農場拡大のための基盤整備のほか、苗木の導入や果樹棚の整備などの支援を行っており、私自身、これまで企業と地元との数多くの調整を推し進めてきましたが、このたび、標高千メートルの地域においても、基盤整備の取り組みが始まったと承知しております。  また、農業の担い手が不足する中、ワイナリーなどに対して、醸造用ぶどうの生産拡大の支援を行うことは、荒廃農地の有効活用や雇用の創出にもつながり、地域の活性化にも資するものと、大いに期待しております。  一方、ワインのできは、原料のブドウの品質で八割が決まるとも言われております。私は、醸造用ぶどうの生産量の確保はもちろんですが、国産ワインコンクールなどで高い評価を得られる品質の高い醸造用ぶどうの生産がますます重要になると思います。  そこで、今後、醸造用ぶどうの生産振興にどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、畜産物の生産振興についてであります。  新型コロナウイルス感染拡大は、本県農業にも大きな影響を及ぼしており、今月五日には、JAグループ山梨から自民党県連に対して、農業所得の確保と経営安定化に向けた支援の要望を受けたところであります。  とりわけ、甲州牛を中心にブランド化を推し進めている畜産農家については、外食やインバウンド需要が大幅に減少したことにより、経営が逼迫する農家も出てきております。  私の地元、北杜市の県立八ヶ岳牧場では、二百頭の繁殖用の雌牛を飼育し、そこで生まれた子牛を肉用牛農家に提供することで、本県の肉用牛振興に大きく貢献しています。  また、毎年五月上旬には、県内の畜産農家から多くの牛が放牧され、ストレスなく健康な牛を育てることで、消費者からも評価が高いアニマルウェルフェアとしても、優良なモデルケースとなっております。  甲州牛は、本県を代表する銘柄牛肉として、県内外のレストランやホテルにおいて幅広く活用されていますが、売り上げの落ち込みに伴う在庫の増加や、相場の大幅な低迷により、地元の生産農家からは採算割れしかねないとの切実な声を耳にしているところであります。  また、同じく、銘柄食肉である甲州地どりも流通のほとんどは飲食店向けであるため、多くの在庫を抱えています。高級食材であればあるほど、生産者の経営に打撃を与える状況にあることから、本県のブランド食肉の需要が力強く回復するよう、畜産物の県内消費に積極的に努めるなど、時宜を得た効果的な対策は急務であります。  そこで、新型コロナウイルス感染症影響で、経営が逼迫している畜産農家への支援と反転攻勢に向けた県産ブランド食肉の魅力発信及び生産振興に、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  最後に、学校再開後の授業等の取り組みについてであります。  新型コロナウイルス感染拡大により、三月初めから約八十日間、多くの学校が臨時休業し、ようやく五月末から再開されました。感染拡大には、引き続き警戒が必要ですが、地域や学校に子供たちの元気な姿が戻ってきたことは、私は心からうれしく思っています。  一方で、この二カ月半の休業により、児童生徒にさまざまな影響を及ぼすと危惧され、特に学習面でのおくれを心配する声は、子供たちはもちろん、多くの保護者や学校関係者からも耳にしております。  それぞれの地域や学校では工夫を凝らし、家庭での学習支援を行ってきたことは十分承知しておりますが、二カ月半のおくれを取り戻すには、時間的にも、内容的にもかなりの工夫や決断が必要になります。  また、おくれを取り戻すことに力を入れ過ぎて、子供たちや学校に過度な負担をかけてしまうようでは本末転倒であり、学校現場の負担軽減を図ることも必要となります。  長崎知事が、令和三年度から導入を表明された二十五人学級の推進は、学力の向上や生活面での効果のみならず、三密とならないための対策や学校の負担軽減策としても効果的であると考えております。  優先すべきは、児童生徒への感染防止ですが、同時に未来を担う子供たちの健やかな成長には、感染防止対策と教育活動を両立しつつ、学習のおくれを取り戻すことが重要であります。  そこで、県では、休業期間中の学習のおくれについて、学校や市町村に対し、今後どのような取り組みや支援を行っていくのか、所見を伺います。  終わりに、新型コロナウイルス感染症は、いまだ収束せず、しばらくの間はコロナとともに生きるウイズコロナの時代を覚悟しなければなりません。しかし、私たちは立ちどまることなく、県政の諸課題を解決し、未来に向けて歩みを進めなければなりません。  AI、ビッグデータ、IoTなど先端技術によってもたらされる新しい社会、リニア中央新幹線開業などによる新たな山梨は、すぐそこまで来ております。  私は、豊かさと幸せを実感できるやまなしの実現のため、これからも長崎知事を支え、県政発展に尽くしてまいる所存であることを申し上げ、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 3 ◯議長山田一功君)浅川力三君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事長崎幸太郎君。        (知事 長崎幸太郎君登壇) 4 ◯知事長崎幸太郎君)浅川議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまは、自民党誠心会を代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。  また、私の就任以来の県政運営につきまして、高い御評価を賜るとともに、山梨を大きく前進させるため、私とともに、熱き心で全力を尽くされるとの力強いお言葉を賜りました。  新型コロナウイルス感染症影響により、社会のあり方が大きく変化する中、感染症に対する強靱な社会の構築と、本県経済の再生に向けた反転攻勢に、アフターコロナの時代を見据えた新しい視点で大胆に取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  初めに、超感染症社会への移行戦略についてであります。  山梨県は、感染症に強い社会への移行を目指し、これまで重点的に取り組んできた医療体制の整備や早期発見・早期治療による感染制御を土台に、次なる段階として、県民の皆様の生活行動と経済活動を進化させるため、「やまなしグリーン・ゾーン構想」を進めることとしました。  まず、生活行動につきましては、県民の皆様の新しい生活様式への移行を下支えするため、遠隔教育の実施環境の整備、ICTを利用した遠隔診療の推進、快適なテレワークを実現するインフラ整備など、感染症の拡大を防止する社会環境づくりに着手しており、今後、さらにワーケーションの促進などにつなげてまいります。  また、喫緊の課題である経済活動につきましては、本県が全国に先駆けて実施している、ガイドラインの策定により、個別に休業要請対象から除外する仕組みをもとに、山梨県全体が消費者の安全・信頼という価値を獲得し、県内経済の再生につなげる制度を構築いたします。  具体的には、専門家委員会からの助言を踏まえ、事業者が取り組むべき感染症予防対策の基準を定めた上で、この基準に沿った対策を実施する事業所を県が認証するグリーン・ゾーン認証制度を創設し、感染症予防対策が県全体で実施されていることをわかりやすく示すことで、国内外の多くの方から選ばれる地域を目指してまいります。  現在、人々を脅かしている新型コロナウイルス感染症によって、価値観や社会・経済のありさまが大きく変わる中、今回の経験と教訓を踏まえ、第二波、第三波や未知の感染症に見舞われた場合であっても、県民の皆様の生命と経済を両立しながら、歩みをとめずに前進し続けることができる超感染症社会をつくってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波に備えた体制整備についてであります。  新型コロナウイルス感染症の対応に当たっては、県民の生命と健康を守るという強い決意のもと、感染爆発を防ぐための早期発見・早期治療の徹底と感染拡大に備えた医療提供体制の構築を最優先に取り組みを進めているところであります。  現在まで、県民、事業者の皆様の御尽力のおかげで、感染爆発を起こすことなく推移してきましたが、今後想定される第二波に備えて、引き続き警戒を怠ってはならないと考えております。  そのために、議員御指摘のとおり、まずは、確実かつ素早い感染者の特定につながる検査体制の充実・強化が重要だと考えており、早期発見により、一定の成果をおさめてきた韓国と人口比で同水準となる一日当たり三百件までの検査能力を拡充するとともに、各地域の拠点的な医療機関に検査機器等を整備することにより、身近な地域で迅速に検査が受けられる体制を構築してまいります。  今月十二日には、県内に研究施設を有するシミックホールディングス株式会社と協定を締結したところであり、平時における人材育成や技術指導、非常時における検査場所の確保など、全国に先駆けて民間事業者と連携した取り組みを進めてまいります。  また、感染拡大を抑制するためには、早い段階で急増する兆候をつかみ、県民に対する行動制限の要請などにつなげていく必要があることから、新規発生者数や感染経路不明者数、隣接する東京都の状況などを常にモニタリングし、必要な場合には、ちゅうちょなく外出自粛等の要請を行ってまいります。  さらに、感染のピーク時に備えて、地域の基幹病院を中心に専用病床の確保を進めるとともに、宿泊療養施設の拡充などを図り、必要な医療が十分に提供できる体制を構築してまいります。  こうした喫緊の対策に加え、今回の厳しい経験を将来の糧にし、次世代にまで引き継いでいけるよう、感染症対策の立案から実行までを一元的に管理する疾病対策管理センター、いわゆる山梨版CDCの設立に向けて具体的な検討を進め、長期的な視点で感染症対策の強化を図ってまいります。  次に、リニア開業とポストコロナを見据えた取り組みについてであります。  本県では、感染症と共存せざるを得ない時代において、感染症に対して強靱な社会、経済の形成を目指して「やまなしグリーン・ゾーン構想」を推進しております。  コロナ収束後の社会では、テレワークや在宅勤務、レストランでのテイクアウトやデリバリー、オンライン診療やリモート教育などが一般化し、産業面においても、これらを支える、いわゆるポストコロナ産業の比重が高まるなど、仕事、生活、医療、教育など、全ての分野でパラダイムの変革が予測されています。  さらに、都市部では、人口集中による弊害として、密閉、密集、密接の三密の回避が難しく、また、パンデミックや医療崩壊の発生する可能性が高いなど、その脆弱性が顕在化しました。  このため県では、リニア開業による圧倒的な時間短縮効果に加え、ポストコロナの時代における首都と地方の新しい関係性の視点から、本県が首都圏の一角としてどういう価値を提供し、どう貢献していくかについて、やまなし自然首都圏構想研究会で議論を深め、迅速に施策に反映することとしました。  今後、本県のあらゆる施策において、こうした時代の大きな変革に、柔軟かつ的確に対応しながら、県民一人一人が豊かさを実感できる山梨の実現に向けて、県庁一丸となって、取り組んでまいります。  次に、防災・減災、国土強靱化への取り組みについてであります。  本県は、周囲を山岳に囲まれ、急峻な地形が多く、南海トラフ地震や富士山噴火などの大規模災害も懸念されることから、これらの災害リスクに対し、強靱化を進めることが喫緊の課題であると認識しております。  このため、災害時に救急救命活動を支える緊急輸送道路の整備や橋梁の耐震補強、生命財産を守る水害・土砂災害対策など、県内インフラの強靱化を進めてきたところであります。  また、昨年の台風十九号では、東京・山梨間の交通が寸断したことから、国や沿線都県市に働きかけて交通強靱化プロジェクトを立ち上げ、脆弱箇所の強化や代替路線の確保などを、今後の基本方針として取りまとめたところであり、広域的な交通インフラの強靱化にも取り組んでおります。  本年三月には、社会資本整備重点計画の改定に当たり、他県に先駆け、令和四年まで三年間の想定事業量を示すことにより、災害応急対策を担う、地域のソフトインフラである建設産業の健全な経営を支援するとともに、強靱化に向けたハード整備を、安定的・継続的に推進する決意を新たにしたところであります。  さらに、強靱化を切れ目なく実施するため、地域の災害リスク、道路や防災施設などの整備状況を勘案し、事業着手前の調査や設計、用地の確保に努めてまいります。  今後も、本県のみならず、国における強靱化の取り組みが、さらに進展するよう、社会資本整備予算の総額確保や、国土強靱化のための三カ年緊急対策の継続・拡充を、山梨県国土強靱化議員連盟の皆様のお力添えをいただきながら、国へ率先して働きかけてまいります。  次に、中部横断自動車道の整備についてであります。  中部横断自動車道は、新東名高速道路と中央自動車道、上信越自動車道を結び、太平洋と日本海をつなぐ日本列島の新たな横断軸として、産業経済の活性化や観光振興に寄与する極めて重要な高速道路です。  昨年の台風十九号により、首都圏方面の交通網が寸断された際に、中部横断自動車道が東名高速道路とともに広域的な迂回路として活用されるなど、高速道路ネットワークが国土強靱化の面においても重要であることを改めて認識したところです。  また、一部開通した静岡・山梨間におきましては、観光客の増加や企業立地の進展などの整備効果があらわれており、全線開通によるさらなる効果にも期待するところであります。  一方、未整備区間である長坂・八千穂間については、昨年、環境影響評価方法書に着手したことで、事業化に向け大きな一歩を踏み出し、評価項目やその手法などを、決定するための手続を進めてまいりました。  この手続の中で、国や北杜市と連携し、説明会に、より多くの住民が参加いただけるよう、北杜市全戸への周知を図るとともに、市内でのパネル展示会において、住民から直接御意見を伺うなど、丁寧な対応に努めてきたところであります。  今後は、中部横断自動車道の必要性や効果などについて、地域の皆様にさらに理解を深めていただくとともに、環境影響評価と並行して行われる都市計画手続を、国と協力して着実に進め、一日も早い事業化、完成を目指してまいります。  次に、東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を見据えた取り組みについてであります。  県では、東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を地域振興の好機と捉え、これまでさまざまな取り組みを進めてきたところであり、この延長期間についても、有効かつ積極的に活用していくことが重要であると考えております。  このため、本年度、自転車競技ロードレースのコースなどをめぐるサイクルフォトラリーを開催し、コースのPRや誘客の促進を図るほか、コース沿道の樹木の伐採や路面の段差解消を行い、サイクリストの走行環境の向上を図ることとしております。  また、外国人観光客の受け入れ環境のさらなる向上を図るため、やまなし防災ポータルの多言語による情報提供機能の充実や、ハラール対応を進める観光事業者等への支援を行うほか、ユニバーサルデザインタクシーの導入を促進してまいります。  これに加えまして、オリンピックコースを活用した、新たなサイクルイベントの誘致や、コースを疑似体験できるVR動画の作成に要する経費を六月補正予算に計上するなど、本県におけるサイクルツーリズムを着実に推進してまいります。  特に、VR動画につきましては、例えば首都圏のフィットネスクラブなどへの導入を働きかけて、利用者に本県のコースや周辺環境のすばらしさを疑似体験してもらい、実際に足を運んでいただくことにつなげてまいりたいと考えております。  今後、VR動画のコンテンツを県内の他地域や観光スポットにも拡大することを視野に、この取り組みを進めて、疑似体験を入り口とした誘客、いわば、観光のデジタル化の先駆けとしてまいります。  東京オリンピック・パラリンピック大会開催までの一年を、全庁挙げて最大限に活用し、大会を理想的な形で迎え、その後の本県の持続的な発展につなげてまいります。  次に、太陽光発電施設に対する指導の強化についてであります。  県内で建設が拡大している太陽光発電施設につきましては、適正導入ガイドラインに基づいて、事業者に対して安全対策の徹底や環境・景観への配慮等を粘り強く指導し、これまでに建設地が見直されたり、パネルの面積が縮小されるなどの成果を上げてまいりました。  しかしながら、一方で、立地を避けるべきエリアにおいて、森林法等の関係法令の適用基準以下に開発面積を縮小して、規制を逃れようとする事業者などの中には、県の指導に応じようとしない者もあり、強制力のないガイドラインによる指導には限界があります。  こうした中、過日のFIT法改正により、認定済みの案件を含め、今後、一定期間内に稼働しないと認定を失効される制度が導入され、議員御指摘のとおり、駆け込み的な建設の急増が想定されることから、これまでにも増して、指導を強化していく必要があります。  また、県内には、既に一万件以上の施設が稼働しており、事業期間が二十年と長期に及ぶため、近年、増加する自然災害への対応も図りつつ、地域に根差した安定的な事業運営が行われるよう、適切な維持管理について、指導の徹底を図ることが重要と考えております。  このため、ガイドライン策定から五年を経過することも踏まえ、有識者による会議を設置し、これまでの指導の効果や課題の検証を行うとともに、条例による規制など、より実効性のある事業者指導のあり方について検討をしてまいります。  次に、メディカル・デバイス・コリドー推進センターについてであります。  医療機器関連産業は、有力な成長産業であるとともに、県内企業の高い技術力が幅広く活用できることから、本県の基幹産業として育成するため、昨年度来、施策検討を進めてまいりました。  検討過程で把握した企業が抱える課題は、市場ニーズや参入方法、あるいは開発戦略がわからないといった、本産業特有の専門性に起因したものであるため、最優先で取り組むべきは、本産業に精通する専門家を配置した専門支援組織の設置であると考え、速やかな実現を図ってきたところであります。  今般、この専門支援組織としてセンターを新設したことは、施策推進の重要な転換点であり、企業支援等に革新的な効果をもたらすと同時に、ファルマバレーを有する静岡県とのコラボレーションが、さらに進化できるようになるものと考えております。  まず、センターの体制といたしましては、県内企業に精通した、やまなし産業支援機構の職員二名に加え、医療機器産業に関する経験が豊富な企業支援の専門家であるコーディネーター三名を配置し、県内企業への相談体制を強化してまいります。  また、心臓外科医であって、国立研究開発法人日本医療研究開発機構において、我が国の医療機器開発をリードする、国立循環器病研究センター名誉所員の妙中義之さんをスーパーバイザーとして迎え、センターや施策の方向性などについて、助言をいただくこととしております。  具体的な支援としては、まず、県内企業から特徴的な技術や本産業への参入の方向性などを聴取した上で、企業技術活用の幅が広く、比較的企業が参入しやすい医療メーカーへの部品・材料供給につきまして、きめ細かな支援を展開することとしており、これにより、幅広い企業の参入が見込まれます。  本支援業務につきましては、早期に成果を上げられるように、開所後から鋭意、企業訪問やメーカーと県内企業とのマッチング業務を開始しております。  また、部材供給から進んで、さらに完成品に進出する企業に対しましては、中小企業が独自に取り扱うことが難しい、医療機器開発等に関する知的財産、法規制、市場調査などにつきましても、センターの専門性の高さを生かした相談業務を行ってまいります。  さらに、県とセンターが一体となって、連携関係にある山梨大学や静岡県、県内医療機関との関係を一層深めながら、セミナー、展示会などさまざまな取り組みを実施し、本県の医療機器関連産業の進展を加速化させてまいります。  次に、反転攻勢に向けた観光振興の取り組みについてであります。  観光は裾野が広く、地域の活性化を担うことのできる重要な産業として、本県経済を牽引してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症影響によって、本年二月から五月までの売上額は、推定で前年に比べ、千三十三億円の減少となっており、観光産業は危機的状況となっております。  このいまだかつてないほどの落ち込みとなっている観光産業の反転攻勢に向けましては、まず県の観光消費額の九割以上を占める国内観光客を対象とした観光振興に取り組むことが急務であると考えております。
     今後、国が実施するGoToトラベルキャンペーンと連携し、国内観光需要を取り込むこととしておりますが、ウイズコロナ社会では、安心・安全な観光が求められることから、安心・信頼を提供するグリーン・ゾーン認証施設での宿泊などを、本県独自のインセンティブの一つとしてアピールし、国内観光客の獲得につなげてまいります。  さらに、三密を回避する観光形態への移行に伴い、これまでのような観光客数の確保は困難となることから、自然や食、文化など、本県が持つ魅力豊かな観光資源を磨き上げる事業を実施し、観光産業の高付加価値化を図ってまいります。  こうした取り組みはもとより、引き続き国の観光需要喚起策や補正予算の措置状況も注視しながら、市町村や観光協会とともに、反転攻勢に向けた観光振興に全力で取り組んでまいります。  次に、美術館・博物館を活用した八ヶ岳南麓の観光振興についてであります。  県の北西部に位置する八ヶ岳南麓は、美術館・博物館が集積しており、さまざまなジャンルの収蔵品は、国内はもとより、本県のインバウンド観光において重視すべき中国からの観光客にも、強い訴求力があると考えております。  このため、県では、国の補助事業などを活用しながら、こうした八ヶ岳南麓の文化芸術施設の特色を、強力に観光に結びつけるための方策について、地元自治体や八ヶ岳DMOなど関係団体、事業者等と緊密に連携し、検討を進めてまいります。  具体的には、各施設におけるAR等の技術を活用した体験型展示、多言語対応による説明など、わかりやすさを実現するための工夫や、電子予約、キャッシュレス化の推進、夜間を有意義に過ごすためのナイトミュージアムなど、付加価値を高める取り組みへのチャレンジを行います。  また、本県に高いレベルで存在する自然や食などを有機的に結びつけながら、文化芸術の鑑賞と創作体験などを通じて、長時間滞在できる環境づくりを行ってまいります。  さらに、将来的には、こうした美術館などをつなぐ新しい交通移動サービスによって、回遊性を高めた滞在型の観光地域を目指し、地元の皆様と力を合わせて、観光振興と地域活性化につなげてまいります。  次に、ワイン県やまなしの認知度向上についてであります。  国の緊急事態宣言が解除され、観光客の誘客活動が再開されつつある中で、議員御指摘のとおり、他県にはない本県の魅力として、ワイン県をPRの中心に据え、他県との差別化を図りながら観光誘客を展開していくことが重要であると考えております。  コロナウイルスの影響によるステイホームの徹底は、かえって、人と人とが時間と場を共有することの価値を再確認する機会となりました。その貴重な共有の場を、旅という形で本県において提供する上で、感染症対策には十分に気を使いながら、本県の高品質な農畜産物、新たに開発した富士の介、大きな可能性を持つジビエなどを活用できるように、積極的に取り組んでいるところであります。  世界に通用する県産ワインは、こうした食の魅力を引き立て、さらに輝きを際立たせることができるキーアイテムであり、今後はワイン県にふさわしい食の価値を高め、県産ワインと県産食材とのマリアージュを創造してまいります。  さらに、こうして創造された食とワインのマリアージュを、首都圏において発信するショーウインドウとして、「富士の国やまなし館」をリニューアルし、この夏以降、積極的に活用してまいります。  今後も、昨年度、ワイン県副知事に就任していただいた林真理子氏、田崎真也氏のお力をおかりしながら、県の総合力を発揮することで、ワインに美食の価値を付加した本県独自のプロモーションを通じて、ワイン県の認知度向上とともに、ワイン県やまなしの確立を図ってまいります。  最後に、畜産物の生産振興についてであります。  県では、新型コロナウイルス感染症影響を受けている畜産農家を支援するため、各種融資制度を初め、国の価格差補填制度や、生産を支援する奨励金の活用を積極的に促進しております。  特に、甲州牛や甲州地どりは、飲食店やホテルなどの営業自粛に伴い、消費が大幅に落ち込み、相場の低迷と在庫の増加が見られることから、学校給食で小中学校等の児童・生徒に提供し、あわせて、こだわりの飼育方法や品質のよさなどをわかりやすく伝える食育を実施するための経費を、六月補正予算に計上したところであります。  これにより、需要を補うとともに、本県の次代を担う子供たちに、郷土が誇る味を体験してもらうことを通じて、家庭での消費の促進や長期的に見た需要拡大につなげてまいります。  さらに、フェスタまきばなどのイベントやメディアを通じまして、県産ブランド食肉のおいしさの魅力を広くPRしてまいります。  甲州牛の生産振興としては、生産農家に安定的に子牛を提供する仕組みを構築するため、県立八ヶ岳牧場に百五十頭規模の保育・育成牛舎を本年度新たに整備し、甲州牛の生産基盤の強化を後押ししてまいります。  また、甲州富士桜ポークや甲州地どりの生産振興といたしましては、施設や機会を拡充するための畜産クラスター事業の活用を促進するとともに、放牧や平飼いなどの家畜の快適性に配慮したアニマルウェルフェアが、世界的に注目される中、本県では、全国に先駆けて実践していることを積極的にPRし、ブランド力の強化を進めてまいります。  今後も、畜産農家に寄り添い、新型コロナウイルス感染症収束後の反転攻勢に向けて、農場から流通・販売までの関係者と連携し、新鮮で安全・安心な県産ブランド食肉の魅力発信と生産振興に努めてまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長からお答え申し上げます。 5 ◯議長山田一功君)福祉保健部長、小島良一君。        (福祉保健部長 小島良一君登壇) 6 ◯福祉保健部長小島良一君)浅川議員のがん対策の推進についての御質問にお答えいたします。  働きながら治療を受けるがん患者が年々増加していることから、治療と仕事の両立を支援する必要性が高まっていますが、これには、患者さん本人の努力に頼るだけでなく、社会システムとして支えていく必要があります。  このため、事業者側の理解を深め、職場環境を改善していくことが重要であると考え、県では、事業者のための両立支援ハンドブックの作成や、がん患者サポートセンターにおける社会保険労務士による相談の導入などの取り組みを進めてまいりました。  特に、中小企業では、柔軟な働き方を支援する制度の整備が難しいことから、こうした取り組みに加え、事業者へのより一層強力な支援が必要だと考えております。  そこで、今年度から、社会保険労務士やがん経験者が中小企業に出向く派遣制度を新たに創設し、職場の状況や患者の個々の事情を聞いて、具体的なアドバイスを行ってまいります。  さらに、新たにがん患者等の相談支援に関する検討委員会を設置し、患者さんへの実態調査を行うことにより、その結果を相談しやすい職場環境づくりにつなげることとしております。  がんになっても働き続けることを諦めず、がんと共生していく社会づくりを目指し、治療と仕事が両立できる環境の整備に取り組んでまいります。  以上でございます。 7 ◯議長山田一功君)農政部長、坂内啓二君。        (農政部長 坂内啓二君登壇) 8 ◯農政部長坂内啓二君)浅川議員の醸造用ぶどうの生産振興についての御質問にお答えをいたします。  県では、昨年十二月に策定したやまなし農業基本計画に基づき、ワイナリーの需要に応じた原料供給を行うため、醸造用ぶどうの生産拡大と高品質化に取り組んでいるところです。  まず、生産拡大に向けては、農家が安心して甲州の生産に取り組めるよう、ワイナリーとの長期全量取引契約を促進しながら、苗木購入や棚の設置、改修に係る経費を支援するとともに、担い手不足に対応するため、ワイナリーの自社農場の拡大を推進しています。  特に、ワイナリーの自社農場の拡大に向けては、地域の合意形成を図りながら、昨年度までの五年間に北杜市や中央市など六地区で基盤整備を実施し、三十九ヘクタールで新たに醸造用ぶどうの栽培が開始され、四十名近くの雇用も創出されました。  本年度は、北杜市や甲斐市などの三地区で、醸造用ぶどうの生産拡大に向けて、約十ヘクタールの基盤整備に鋭意取り組み、地域の活性化にもつなげてまいります。  また、品質の高い甲州を生産するため、県農業振興公社において、糖度が高く収量も多い一系統を、本年度新たに加え、優良な四系統の苗木を生産・供給してまいります。  さらに、県果樹試験場とワイン酒造組合が連携し、フランスやスペインなどを原産とする欧州系品種の栽培特性や果実特性を明らかにして、甲州とともに県産ワインを牽引できる品種の選抜を進めております。  現在の厳しい状況から反転攻勢に転じ、本県がワイン県として輝き続けるため、今後も、醸造用ぶどうの生産拡大と高品質化に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 9 ◯議長山田一功君)教育長、斉木邦彦君。        (教育長 斉木邦彦君登壇) 10 ◯教育長斉木邦彦君)浅川議員の学校再開後の授業等の取り組みについての御質問にお答えします。  県では、再開後の学校運営の参考となるよう、市町村教育委員会の教育長や県立学校の校長を対象とした会議を、五月中旬に臨時開催し、夏季休業期間の短縮、学校行事の精選、各教科等の学習活動の重点化など、休業中の学習面のおくれを取り戻す上での考え方を提示しました。  また、学習面の補充のほか、子供たちの心のケアとして、健康相談の実施やスクールカウンセラー等による支援など、きめ細かな配慮を要請しております。  学校再開に当たっては、感染症防止対策の徹底を図りつつ、学習面のおくれを十分に取り戻すことができるよう、国の第二次補正予算を活用し、子供たちの学びをサポートする学習指導員などの追加配置や進学を控える最終学年の子供たちに対し、きめ細かな指導が行われるよう早急に準備を進めてまいります。  今後も、関係機関との連携を図り、子供たちが安心して学べる学習環境を整備しながら、日々の授業が円滑に行われるよう、引き続き、学校や市町村を支援してまいります。  以上でございます。 11 ◯議長山田一功君)当局の答弁が終わりました。  浅川力三君に申し上げます。再質問はありませんか。 12 ◯浅川力三君 ございません。 13 ◯議長山田一功君)これをもって、浅川力三君の代表質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後二時十六分休憩       ───────────────────────────────────────                                          午後二時四十分再開議 14 ◯議長山田一功君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  発言の通告により、大柴邦彦君に四十分の発言を許します。大柴邦彦君。        (大柴邦彦君登壇)(拍手) 15 ◯大柴邦彦君 私は、自民党誠心会を代表して、今定例県議会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。  まず初めに、世界規模で感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御闘病されている方々、御家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  また、御自身への感染リスクを背負いながら、日夜業務に当たっておられる医療介護従事者の方々、そして社会を支えるために御尽力をいただいている全ての方々に敬意をあらわすとともに、感謝を申し上げます。  長崎知事におかれましては、みずから先頭に立ち、県民の生命を守ることを最優先に、県庁一丸となり迅速かつ的確に対応され、全国に先立ち、県独自の対策も積極的に打ち出すなど、県民の安心・安全のために御尽力いただいていることに対し、深く敬意を表します。  今般の感染症拡大に伴う自粛生活において、私たちの日々の生活が大きく変わり、不安もありましたが、職場や家庭において、改めて自分にとっての大切なものは何かを考えさせられた機会となりました。  一方、経済的に深刻な影響を受けている方々も多く、こうしたところに光を当てていくことが、私の使命と考えております。  今後の見通しも不透明な中ではありますが、今が踏ん張りどきであり、収束後を見据えた準備、戦略が重要となります。一日も早い収束と県内経済の立て直しを目指し、知事とともに全力で取り組んでまいりますことをお誓いし、以下質問に入ります。  初めに、六月補正予算編成の基本的な考え方と当面の財政運営についてであります。  本年度の本県財政は、実質県税収入について、昨年度に比べ三十億円余り減少し、また、歳出面においては、社会保障関係費の増加などにより、当初予算編成段階で七十五億円の財政調整基金を取り崩しているところであります。  さらに、四月には、新型コロナウイルス感染症対応のための臨時補正予算を編成し、三十六億円余りの財政調整基金を充当するなど、大変厳しい状況にあると承知しております。  先般、発表された日本銀行甲府支店の金融経済概観では、感染症拡大の影響により、一段と悪化した状態が続いているとして、総括判断が先月から据え置かれております。特に、個人消費については、大幅に減少した状態であり、感染症による深刻な影響が続いていると分析されています。  国が、五月十四日に本県を含めた三十九県で緊急事態宣言を解除したところであり、これにより、県内経済への早急な回復を望むものではありますが、実態としては引き続き深刻な状況が続くことも覚悟しなければなりません。  政府においては、四月に緊急経済対策の第一次補正予算を編成し、総額一兆円の臨時交付金を盛り込み、本県には地方単独事業分として約四十六億円の交付限度額が示されたところであります。  さらに、今月には、約三十二兆円の第二次補正予算を編成し、総額二兆円の臨時交付金の拡充などが行われております。  今後、新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波も想定される中においては、感染防止や医療提供体制の強化を図りつつ、県内経済の一刻も早い立て直しに向けた取り組みも積極的に展開していくことが必要と考えます。  また、現下の厳しい県内経済の状況は、来年度の県税収入の減少としてあらわれるはずであり、本県の財政状況も一層厳しさが増すのではないかと危惧しております。  そこで、まず、県におかれましては、六月補正予算をどのような考え方で編成したのか、あわせて当面の財政運営をどのように行っていくのか、知事の所見を伺います。  次に、地場産業への支援についてであります。  今般の新型コロナウイルス感染症に伴う経済的影響は、地域・業種・規模を問わず、地域経済の現場に直接的な収入の減少をもたらしています。さまざまな需要が突然喪失する現下の状況は、リーマンショック時と比べても、格段に厳しい未曽有の国難であり、先ほど予算編成についてでも説明したとおり、県内の景気も一段と悪化しており、事業者を取り巻く情勢は極めて厳しい状況にあります。  特に、四月以降は、国内外で経済活動が停滞し、緊急事態宣言に伴う外出自粛休業要請などの影響により、宿泊業や飲食業を中心に売り上げが大幅に減少した事業者が数多く発生しています。  こうした中、国や県が持続化給付金や雇用調整助成金、三年間実質無利子の融資制度等により、売り上げが減少した事業者を支援していることは承知しておりますが、私は、こうした取り組みの後にあっても、なお、山梨の風土に育まれ、本県の活力維持に貢献してきた地場産業への多大な影響が残ることを、心から憂慮するものであります。  中でも、ワインや日本酒、ジュエリー、織物については、全国的な飲食店、小売店の営業自粛や国内外の展示会の中止などにより、売り上げの減少が深刻な状況にあります。  私の地元である北杜市にも、日本酒の酒蔵が四社あり、こうした影響を大変心配しているところであります。  山梨が国内外に誇るワインや日本酒、ジュエリー、織物などの地場産業は、新型コロナウイルス感染症影響下であっても、決して衰退することがあってはなりません。  私は、需要の大幅な落ち込みを反転させ、大きく消費を回復させるような本県地場産業への積極的な支援が必要であると考えております。  そこで、県では、新型コロナウイルス感染症により、大きな影響を受けている地場産業に対し、今後どのような支援を行っていくのか、伺います。  次に、学生の就職活動や企業の採用活動の支援についてであります。  企業説明会が一斉に解禁となる三月には、まちにリクルート姿の学生があふれますが、本年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、就職活動にブレーキがかかり、将来を担う若者が社会人としての第一歩を踏み出すことができるのか、強い危惧を抱いております。  実際、全国的には本年四月入社予定の内定を取り消した企業や、経済状況の不透明さから、来年四月の採用に慎重になっている企業があるとの報道もありました。  また、大手就職支援サイトによると、全国の大学生、大学院生の内々定率は、令和二年五月末時点で四八%と、前年に比べて一三・八ポイント下回るなど、企業の採用活動に大きなおくれが生じております。  一方、県内企業の就職に関心を持っている学生の多くは、就職説明会の中止や企業訪問の制限などにより、企業の生の情報を得にくい状況に置かれております。  このため、自分が就職したい企業を見つけることができるか、不安を感じたり、採用担当者の心に響く志望動機を考えられるのか、悩んでいたりする学生もいると聞いております。  このような状況の中、大手企業などでは、就職支援活動の有料のウエブ合同説明会の活用や、ウエブ上での個別説明会、面接会の開催により、学生との接触の機会を確保しております。しかしながら、中小企業では、ウエブによる採用活動に係るノウハウを持っていない企業も多く、また就職支援会社が実施するウエブ合同説明会等への参加は、多額の費用が必要となるなど、学生へのアプローチが難しい状況にあることから、県内の中小企業の採用活動に対する支援が必要であると考えます。  加えて、新型コロナウイルス感染症の状況を見きわめた上で、学生と企業が相手の雰囲気や反応を直接肌で感じることができる機会も必要ではないかと思います。  新型コロナウイルス感染症影響により、学生と企業の双方に生じている不安を解消するため、学生の就職活動や企業の採用活動の支援に、どのように取り組んでいくのか、伺います。
     次に、不織布マスクの供給体制の強化についてであります。  新型コロナウイルス感染症の拡大は、我が国の感染症対策の弱点を露呈させましたが、中でもマスク不足の問題は、強く印象づけられました。  マスクは、着用習慣がなかった国々でも需要が急激に拡大し、世界的にマスクの争奪戦が起きるという、異常な事態となりました。  他方、供給は原材料等の不足から、なかなか拡大せず、薬局などの店頭からマスクが消えていたことは、記憶に新しいところです。  マスクの供給拡大に向けては、国がマスク増産の助成制度を設け、産業界に増産を要請しましたが、最近ようやく店頭で見るようになったマスクは、輸入品が多く、海外依存の問題は相変わらず深刻なものと感じております。  県では、感染症対応の指定医療機関等に提供する不織布マスクの購入予算を、補正予算に計上していますが、確保方法は県外、国外からの購入に頼っているのが現状です。  今後は、世界中でマスクの着用習慣が継続することに加え、第二波、第三波や新たな感染症発生の際には、再びマスク確保が困難となることが十分予想されます。  特に、感染症対応の指定医療機関等では、不織布のサージカルマスクが大量に必要となるため、私は購入以外の調達方法を早急に検討、実施すべきと考えます。購入以外の方法としては、マスクの製造が考えられますが、本県の場合、不織布マスクについては、マスク製造の全国団体に加盟する企業がないことから、今般の補正予算に計上された供給体制強化の取り組みを評価するところであります。  企業にとって、新分野参入はリスクもあり、なかなか難しいものですが、県が県内企業を支援して、医療機関や介護・教育現場でも使用し、必要量が大きい不織布のマスクについて、製造拠点を県内に整備すれば、確保に関して抜本的な方策となるものと考えます。  そこで、今後県では、不織布マスクの確保をどのように図っていくのか、伺います。  次に、県内飲食店の支援についてであります。  平成二十八年度経済センサスでは、本県の飲食店は四千五百十八事業所、従業員数は二万五千五百二人であり、事業所数及び従業員数ともに全産業の第一位となっております。  また、総務省統計局の統計で見る都道府県の姿二〇二〇によりますと、人口千人当たりの飲食店数は、全国第五位と上位に位置し、飲食業は本県の雇用を支え、食文化を育み、観光を支える重要な存在であります。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症影響を受け、今、この飲食業は非常に厳しい経営環境に置かれております。  多くの事業者から、今回の経営への影響は、過去のどの自然災害や金融危機による影響をも、はるかにしのぐ、まさに未曽有の大打撃だという声が、私のところに寄せられております。  このような状況の中、県が先月一日に発表し、同月二十二日にスタートした、無尽でお助け「めざせ!みんなで百億円」キャンペーンは、本県特有の文化である無尽の金融相互扶助の精神に着目し、県民皆で飲食店を応援するものであり、全国に誇ることのできるオリジナリティーあふれる画期的な事業であると感じております。ぜひ、一人でも多くの方々が、この事業を通じて地域の飲食店を支援していただくことを願っております。  また、社会活動レベルの段階的な引き上げに伴い、これから本県観光客の約六〇%を占める東京圏からの来県が見込まれております。事業開始から一カ月が過ぎ、応援総額は二千六百万円を超え、一定の成果を上げていると認識しておりますが、一方で、支援金額の目標を百億円とするならば、さらなる事業の活性化を図るため、観光客にも利用していただく仕組みづくりや、事業の仕組みがわかりにくいという指摘も見受けられることから、事業内容の説明方法を工夫したり、現在三市にとどまっている事業協同自治体をふやしたりするなど、参加者、事業者双方にさらなる利用を促す取り組みも必要であると考えます。  そこで、今後、県内飲食店への支援を目的に始まった、このキャンペーン事業のさらなる利用促進に向けて、県としてどのように取り組まれるのか、所見を伺います。  次に、県産農産物の販売対策についてであります。  本県は、恵まれた自然条件や大消費地に近い立地条件を生かし、生産量日本一を誇るブドウ、桃、スモモなどを有する果樹王国として市場に高く評価されてきました。  しかし、国内では、新型コロナウイルス感染拡大影響により、百貨店などでの高級果実の販売量は、本年四月から五月までは大幅に減少したものの、今月に入って回復の兆しが見えてきたと聞いております。  しかし、私の地元北杜市の農産物直売所では、首都圏からの来訪者の大幅な減少や、市民への感染予防の配慮から、休業により売り場を失った野菜などの生産者は、新たな販売先を確保することに大変苦慮しています。  さらに、甲府市のイチゴや南アルプス市のサクランボなどの観光農園においても、観光バスの予約キャンセルや家族連れなどの来訪者の激減により、大きな痛手となっております。  昨年の相次ぐ降ひょうや台風、モモせん孔細菌病により、被害があった農家の皆さんは、ことしこそはと夢を抱いていますが、これまでの果実の販売状況や観光客の出足を見ると、これから本格出荷を迎える県産農産物の販売を憂慮せざるを得ません。  こうした中、長崎知事は、「ふんばろう!やまなし」を合い言葉に、持続化給付金の迅速な給付と制度資金の利用のため、農業者相談窓口を開設したほか、静岡県と連携した農産物をPRする取り組みを行うなど、私は生産者に寄り添った対応を高く評価しております。  一方で、新型コロナウイルスに備えた新しい生活様式を踏まえ、農家の所得向上につながる宅配やネット販売などの在宅サービスを意識した新たな販売手法も、積極的に取り入れることが重要であると考えております。  そこで、このような前例のない販売環境の中で、県が本年四月以降に行ってきた農産物の販売支援の取り組みと今後の販売対策について伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症流行期の避難所運営への支援についてであります。  近年、全国各地で地震、台風、大雨などの自然災害が頻発しております。昨年十月、本県において大雨特別警報が初めて発表され、台風十九号の際、長崎知事が災害対策本部を早期に立ち上げ対応したことは、記憶に新しいところであります。  今月には、本県も梅雨入りし、大雨や台風がふえる時期となり、いつ大規模な災害に襲われるか、予断を許さない状況にあります。  災害時に、市町村が開設する避難所は、体育館や公民館が利用されることが多く、いわゆる三密そのものと言っても過言ではありません。  国においては、避難所における新型コロナウイルス感染症対策の平時からの検討や実施を促す観点などから、防災基本計画を先月二十九日に改定し、また避難所の運営に当たって、感染症対策に万全を期すよう、都道府県等に対して通知しているところであります。  国のこうした対応の背景には、避難所での集団感染の発生あるいは住民が避難所の三密を心配して避難をちゅうちょするようなことなどの危惧があるものと考えます。  このような状況を回避するには、物理的に感染のリスクを低減していくというハード面、避難所をどのように設置し、運営していくかというソフト面、この両面からのアプローチが必要ではないかと考えています。  しかしながら、現在、県内には約八百五十カ所もの指定避難所があり、地域ごとに設置された避難所において、完璧な運営を求めることは、人材などの面からも限界があるのではないでしょうか。  県においては、国の通知に基づいて避難所が過密状態になることを防ぐため、指定避難所以外にも可能な限り多くの避難所を開設することなど、市町村に要請していますが、私は、市町村が感染防止に努めながら、避難所運営を円滑に行えるよう、県も積極的に関与する必要があると考えます。  そこで、今後、県ではどのように対応していくのか、伺います。  次に、小中学校におけるICT環境の早期整備についてであります。  私は、AIやICTが進展する現代社会において、児童生徒がさまざまな情報技術を活用できる力を育むため、パソコンやタブレット端末、通信ネットワーク等のICT環境を早急に装備すべきであると、以前から考えておりました。  新型コロナウイルス感染症による臨時休業の長期化により、その思いを一層強くしたところであります。  タブレット端末が整備された小中学校の中には、この休業期間中に、家庭に端末が貸し出され、同時双方向の遠隔教育が行われたとの報道も目にいたしました。  一方、そのような環境がない小中学校においては、教員が作成した紙の教材の配付や、学校ホームページへの課題の掲載による学習支援にとどまっている状況でありました。  また、県教育委員会が、やまなし小・中学校応援サイトを作成し、各教科のポイント解説を動画配信するなど、学習環境の維持に取り組んでいたことは承知しております。  しかし、いずれの方法も情報が一方的であり、質問や意見などのやりとりが難しいという点で、遠隔教育による同時双方向の学習支援との差が感じられました。  ICT環境の整備状況の違いにより、受ける教育サービスの質に差が生じることは避けなければならないと考えます。  国では、昨年十二月にGIGAスクール構想の実現に向けた補正予算を計上し、さらに本年四月には、全ての小中学校の児童生徒に、一人一台の学習用端末を配置するなどの補正予算を計上したところであります。  現在、市町村において、これらの整備を進めていると承知しておりますが、新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えるとともに、子供が誰一人取り残されないようにするためにも、教育におけるICT環境の速やかな整備が求められると考えます。  そのため、市町村が取り組んでいる今回の小中学校における学習用端末の整備及びICT活用能力を有する教員の育成などに、県もしっかりと関与すべきと考えますが、所見を伺います。  次に、新たなアリーナの建設についてであります。  本年三月、屋内競技団体を中心に九つの団体から、国際大会やプロスポーツの試合が開催できる、大規模で高い機能を備えた新たな屋内競技場、いわゆるアリーナの建設に係る要望書が県に提出されました。  要望書によりますと、本県、屋内競技の拠点である小瀬スポーツ公園体育館は、昭和五十九年の建設から三十五年以上が経過し、施設や設備の老朽化などの課題が生じているとのことであります。  また、大規模な大会を開催するとした場合、競技運営の効率性や選手の負担軽減などのため、可能な限り一つの競技会場で実施することが望ましいことから、バスケットボールコート四面程度の広さを有し、七千五百席程度の観客席やサブアリーナの備え、さらには災害時に緊急避難場所として機能する新たなアリーナを、本県に建設するよう求めているものであります。  スポーツは、心身両面にわたる健康の保持、増進に効果があるだけではなく、人々の生活を明るく、豊かなものにするなど、多くの意義を有しているものと考えております。  さらに、スポーツ大会の開催により、県内外から多くの選手や観客が訪れ、宿泊や飲食、観光による地域経済への貢献や交流人口の拡大が図られるなど、スポーツの振興は地域活性化につながるものであります。  このため、県議会では、スポーツ振興の基本理念を定めるスポーツ振興条例を制定することとし、私は条例案作成委員会委員長として、この条例が、スポーツを通じた活力ある地域社会の実現の礎となるよう、制定を目指していきたいと思います。  そのスポーツによる地域活性化の拠点となるものがアリーナであります。アリーナは、スポーツをするだけの場所ではなく、スポーツを見る、支える拠点ともなり、コミュニティーの中心になるものと言われています。  仮に、新たなアリーナが建設されれば、将来にわたって、スポーツを通じた地域活性化や、本県の発展に資する施設としての役割はもとより、さらなる人と人との交流機会を創出するものと私は考えます。  そこで、新たなアリーナの建設について、県の所見を伺います。  次に、食文化の伝承についてであります。  山々に囲まれた本県は、遠い昔から豊かな山の幸に恵まれ、長い年月をかけて地域の伝統的な行事や作法と結びついた食文化が形成され、特色ある郷土料理として受け継がれてきました。  これらは、山梨ならではの風土や歴史が育んできた大切な宝物であり、私たちも、次の世代に確実に引き継がなければなりません。  昨年、食をつなぐ人と未来をテーマに開催された食育推進全国大会には、県内外から延べ二万人を超える人々が集まりました。私も県議会議長として参加をしましたが、山梨の郷土料理を提供する山梨の食・ふるまいタイムでは、試食に大勢の行列ができるなど、どの会場も活気にあふれており、本県の魅力を県内外に発信できた大会であったと考えております。  大会来場者へのアンケート結果によると、九割の方から、食文化への関心が高まったとの回答があったものの、地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理などについて、地域や次世代に伝えているかの質問に対し、四割が「伝えている」であった一方で、三割は「伝えていない」であったと伺いました。  その背景としては、核家族化の進行や外食、コンビニエンスストアの普及などにより、郷土料理に接する機会が減り、地域の食文化に対する関心が薄れてきていることがあると、強く感じています。  和食が、ユネスコ無形文化遺産に登録されて七年となりますが、日本の伝統的な食文化には、それだけの高い価値が認められることを忘れてはなりません。  本県でも、全国大会の成果をもとに、山梨の誇る食文化を、より多くの県民の皆様に知ってもらい、次世代に伝承していくことができるよう、地域や関係団体と連携し、取り組みを継続していくことが重要であると考えます。  そこで、県では食文化の伝承に今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、国民健康保険における効果的な保健指導についてであります。  国民健康保険は、農業者や自営業者のほか、六十五歳以上七十五歳未満のいわゆる前期高齢者の多くが加入することから、加入者の平均年齢は高く、他の医療保険制度の平均年齢が三十歳代であるところ、国民健康保険では五十歳を超えています。  また、国民健康保険の加入者に占める前期高齢者の割合は年々上昇し、本県の場合、平成二十三年度までは三割に満たなかったものが、平成二十九年度では四割を超えています。  高齢になれば、慢性疾患を持つ方も多く、医療機関への受診機会もふえることから、国民健康保険における一人当たり医療費は高い状況となっています。  また、加入者は年金生活者や非正規労働者など、所得の低い方が多く、その所得状況は、他の医療保険加入者と比較し半額以下であり、市町村では非常に厳しい制度運営を強いられていると聞いております。  国民健康保険財政の悪化は、県・市町村の財政にも大きな影響を与えるほか、加入者負担の増加にもつながることから、国民健康保険における医療費適正化は喫緊の課題であり、その解決のためには、慢性疾患の重症化の回避に向けて、生活習慣の改善を促す保健指導を一層充実させることが肝要であります。  より効果的な保健指導の実施に当たっては、個々の状況に応じたきめ細かな対応が必要であり、これまでに蓄積されてきた健診データなども十分活用しながら、指導内容等を検討していくことが有効と思われます。  しかしながら、保健指導の主体となる市町村では、データ分析の専門知識が少なく、データを活用した効果的な取り組みが十分にできていないのが現状と聞いております。  平成三十年度から県は国民健康保険の財政運営の責任主体となっており、医療費の適正化に取り組む市町村を支援することが一層求められております。  そこで、国民健康保険における効果的な保健指導に向けて、県では今後どのように市町村を支援していくのか、伺います。  次に、ひきこもり対策についてであります。  ひきこもりは、その状態に至った原因が、病気や失業、不登校などさまざまであり、それぞれの方が異なる経緯や事情を持ち、生きづらさを抱えながら暮らしています。  平成二十七年に県が実施した調査によると、県内でひきこもりの状態にある方は約千四十人と推計されていますが、その約六割の六百二十人余りが中高年層であり、ひきこもりが高年齢化している状況が明らかとなりました。  中高年層のひきこもりは、生活を支える親御さんが高齢となり、社会的に孤立してしまい、周囲に気づかれないまま生活が立ち行かなくなってしまう場合もあり、近年深刻な社会問題となっています。  また、この中高年層の中には、バブル崩壊後の雇用環境が厳しい時期に学校卒業期を迎えた、いわゆる就職氷河期世代の方々も多く、不安定な就労やその後の失業を余儀なくされ、ひきこもりの状態となった方も相当数いると考えられ、国においては本年度から三年間の集中的な対策を講じることとし、社会的自立に向けた積極的な支援を行うこととなっています。  一方、県では、平成二十七年に、ひきこもりに特化した相談窓口を開設するとともに、福祉、教育、就労等の関係機関や民間団体などで構成する、ひきこもり支援検討会議を立ち上げ、先進事例の情報共有や事例検討などを行い、連携強化を図ってきました。  また、平成二十九年四月には、ひきこもり地域支援センターを設置して、相談支援を初め、当事者やその御家族への支援の充実に取り組んできたものと承知しています。  しかし、中高年層の中には、これまで親御さんを通じて受けてきた支援や、周囲とのつながりが薄れている方もいることから、直接当事者本人を県や市町村、民間団体などの支援に結びつけていくことが重要であると私は考えます。  そこで、ひきこもりの状態にある中高年層の方々への支援の充実に向けて、県では今後どのような取り組みを進めていくのか、伺います。  次に、子供の虐待防止対策についてであります。  私は、成熟社会を迎えた現代の社会において、子供の虐待は非常に複雑で、深刻な課題であると考えています。ここ数年、毎年のように悲惨な子供の虐待死亡事件が報道されています。中には、幼い子供が助けを求めるメッセージを出していたにもかかわらず、命を救えなかった事件もあり、このような報道に触れるたびに、悲しさと無念さが込み上げてきます。  国の専門委員会の報告によると、我が国において毎年度五十人前後の子供の命が虐待によって奪われているというのです。 国を挙げて少子化対策に全力で取り組む中、痛ましい現実に目をそらすことなく、国民一丸となって虐待の防止に努め、輝く未来が待つ子供たちのかけがえのない命を守らなければとの思いを、一層強くしたところです。  さて、新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化をもたらし、学校が長期にわたり休校になるなど、かつて経験のない日常に身を置くこととなりました。  このような中、我が家でも孫を預かる機会がふえたことで、気づけば叱る回数が多くなっており、ましてや親子が長期間一緒に過ごすとなると、感染拡大や学習のおくれ等の不安も相まって、家庭内に大きなストレスがたまることは、想像にかたくありません。  私は、かねてから、こうしたストレスを家庭で抱え込むことが、虐待の危険性を高めるのではと懸念をしていたところであり、このようなときにこそ、リスクの高い家庭へのきめ細かな目配りが不可欠になると考えます。  そこで、まず本県における直近の虐待に係る相談対応の状況と現在までの県の取り組みについて伺います。  また、感染拡大影響は経済にも影を落とし、家庭の経済的困窮が虐待のリスクを高めるなどの指摘も聞かれます。私は、このような状況の中、虐待防止対策を一層強化していく必要があると考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  次に、県産木材の利用拡大に向けた取り組みについてであります。  本県の豊かな森林は、戦後から高度経済成長期に造林された人工林を中心に、本格的な伐採時期を迎えています。この充実した資源の循環利用を進め、効率的な木材生産による収益の向上など、林業の成長産業化を実現するためには、積極的に伐採し、木材の利用を拡大していくことが求められています。  また、近年、再生可能な資源である木材の利用に取り組むことは、持続可能な開発目標であるSDGsの達成といった視点からも注目されています。このため、県では本年三月、県産木材利用促進条例に基づく基本方針を策定し、施設の木造・木質化の推進を初め、木材の安定供給の促進、木材利用の重要性に対する県民理解の促進などの取り組みを進めていくこととしています。  木材は軽くて加工が容易であり、コンクリートなどと比べ、高い断熱性や湿度の調整作用を有し、木の香りによるリラックス効果など、快適な居住環境の形成や、癒やしをもたらす生活環境の創造に資する資材であることから、幅広い分野に活用を進めていくことは重要であります。  しかしながら、県内の木材生産は、安価なチップの割合が約八割と建築用途が少なく、国土交通省の建築着工統計によると、県内の店舗の倉庫、事務所など、住宅を除く三階建て以下の低層建築物の木造率は、約一割と低位にとどまっております。
     本県の気候風土に育まれた県産木材は、年輪の幅が狭く、強度にすぐれ、木目が美しいといった特徴があることから、私はこの特徴を生かし、建築物に利用していくことが、県産木材の利用促進に最も効果的だと考えています。  建築用途への木材利用は、付加価値が高く、利用する木材利用も多いという利点とともに、木造建築が広がることで、多くの方々が木の快適さ、魅力を感じ、木材の幅広い利用につながることも期待されます。  そこで、県では、県産木材の利用拡大に向け、どのように取り組んでいくのか、伺います。  最後に、台風等による災害対応についてであります。  私の地元である北杜市は、日照時間が日本一で、年間降雨量が比較的少なく、近年は幸いなことに大きな災害が発生することもありませんでしたが、平成三十年の台風二十四号では、身近な道路や河川の多くの箇所が被災し、改めて災害への備えの重要性を認識したところであります。  昨年は、台風十九号により、県内の重要な交通インフラ等が被災し、県民生活の経済活動に大きな影響を及ぼしたところであり、河川施設などの公共土木施設にも多くの被害が発生しております。  被災した道路や河川施設につきましては、現在早急な災害復旧に努めていただいているところではありますが、梅雨入りし、これから台風シーズンを迎えるに当たり、被害が拡大することがないように進めることが必要であります。  また、災害復旧とあわせて、事前の減災対策として、河川の維持管理も重要でありますが、県では、数年前から河川内の支障木の伐採やしゅんせつなどを積極的に進めていただいており、北杜市の釜無川や塩川などでは、一定の成果が上がっているところです。  しかし、樹木は数年で成長し、しゅんせつも大きな洪水で再び堆積してしまうこともあるため、状況に応じた継続的な実施が必要であります。  こうしたハード対策とともに、台風等による豪雨災害への対応においては、逃げおくれによる人命被害をなくすことが最も重要であることから、住民の適切かつ迅速な避難行動を支援するためのソフト対策の充実が必要であると感じております。  ソフト対策のうち、河川の水位計につきましては、昨年度に県内全域での設置が完了したとのことですが、情報をわかりやすく、確実に提供することが求められております。そこで、台風十九号に対する県管理公共土木施設の復旧状況を伺うとともに、豪雨災害に備えた河川の維持管理と住民の避難を支援するための対策につきまして、どのように取り組みを進めていくのか、あわせて伺います。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 16 ◯議長山田一功君)大柴邦彦君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事長崎幸太郎君。        (知事 長崎幸太郎君登壇) 17 ◯知事長崎幸太郎君)大柴議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまは、自民党誠心会を代表され、県政各般にわたり御質問を賜りました。  また、新型コロナウイルス感染症への対応について、全国に先駆けた取り組みについて高い御評価を賜るとともに、落ち込んだ経済の立て直しに向けて、私とともに全力で取り組んでいただけるとの力強いお言葉をいただきました。  私も、県民の皆様の生活と命を守り、回復の先の跳躍に向けた経済再生に積極的に取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。  初めに、六月補正予算編成の基本的な考え方と、当面の財政運営についてであります。  まず、補正予算編成の考え方についてであります。  現在、県内では、県民、事業者の皆様による外出自粛休業要請への御協力などにより、足元では引き続き警戒を要するものの、おおむね感染拡大を抑制できている状態でありますが、東京都などと隣接する本県にとりまして、この状態が今後も続く保証はありません。  このため、感染制御がきいているこの期間を、県民の皆様から与えられた猶予期間と捉え、六月補正予算では、第二波に備えた医療提供体制の構築、感染症に強い社会・経済の形成、速やかな反転攻勢のための施策につきまして、重点的に計上をいたしました。  具体的には、国内最高水準の実績を誇るPCR検査体制のさらなる充実・強化、避難所における感染防止対策物資の備蓄、不織布マスクの製造設備の導入支援による安定供給体制の構築などに取り組んでまいります。  また、やまなしグリーン・ゾーン認証に沿った事業環境への設備改修や、キャッシュレス決済の導入支援など、本県独自の超感染症社会への移行戦略を推進します。  さらに、商工業振興資金融資枠の大幅拡充による資金繰り支援、無尽を活用した飲食店の支援、本県ならではの観光資源を生かした高付加価値型旅行商品による誘客促進など、本県経済を速やかに反転攻勢させるための施策を強力に展開してまいります。  なお、休業協力金を支給した多くの自治体では、支給していない自治体と比べて、財政調整基金の減少が進んでおりますが、本県におきましては、四月臨時補正予算で取り崩した財政調整基金を今回の補正予算で積み戻し、感染拡大の第二波が起きた場合でも、十分な医療提供体制が確保できるように、財政余力を維持してまいります。  次に、当面の財政運営についてであります。  議員御指摘のとおり、来年度の税収は厳しいものと想定されますが、一刻も早く税収を回復するためには、税源の維持と涵養を図ることが重要であります。  このため、今回の補正予算におきましては、経済回復に向けた事業を計上いたしましたが、今後も国の二次補正に対応した事業の今議会での追加提案や、九月以降の補正予算など、切れ目なく、積極的に対応してまいります。  次に、地場産業への支援についてであります。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症影響により、本県の地場産業は極めて厳しい状況にあり、事業の継続と反転攻勢に向けた取り組みは喫緊の課題であります。  このため、県では、地場産業の各産地組合が行う感染症に対して強靱性を有する超感染症社会に向けたインターネット・SNSの活用による販路拡大・強化の取り組みや、購買意欲を喚起するPRなどを積極的に支援することとし、所要の経費を今回の補正予算に計上したところであります。  具体的には、まず、在宅の一般消費者への販売を促進するため、県がインスタグラムやフェイスブックなどに、さまざまな地場産品の写真や動画等の広告を配信し、その広告を見た方と各産地組合のインターネット販売サイトなどをつなぐ効果的なPRを実施することといたしました。  また、日本酒や織物の組合によるインターネット販売サイトの構築や、日本酒、ワイン、ジュエリーの各組合が行うSNSなどを活用したプロモーションや、蔵元が出演して開設するオンラインでの試飲セミナーなどの販路拡大に向けた取り組みに対しまして、支援を行ってまいります。  さらに、織物につきましては、今後の市場予測を踏まえた産地企業による新製品の開発や、新たな販路開拓手段として実施する無人展示会とオンライン商談会を組み合わせたリモート・マッチング事業を支援することとしております。  こうした感染症影響下でも持続的な取り組みを力強く後押しすることにより、本県地場産業のV字回復の実現につなげてまいります。  次に、不織布マスクの供給体制の強化についてであります。  新型コロナウイルス感染症防止対策の最前線に立ち、県民の命を守り続ける感染症指定医療機関や保健所等で使用されるマスクにつきましては、絶対に不足が許されないものであり、県において安定的な供給体制の確保を図る必要があるものと考えております。  これまで、これらのマスクの調達につきましては、県内に不織布マスクの製造を業とする企業がないことから、県外あるいは国外からの購入に頼ってきましたが、購入の場合には、必要量の確保や納期の確実性といった点で課題があり、より確実に調達できる手だてを検討してきたところであります。  そこで、今後の感染症対策を見据え、不織布マスクを安定的に供給できる体制を確保する観点から、新たに、県内において、不織布マスクの製造拠点を整備することとし、必要となる経費を六月補正予算に計上いたしました。  本事業におきましては、まず、県内企業が不織布マスクの製造機械を整備する経費について助成を行うとともに、当該企業が製造する一年分のマスクを、感染症指定医療機関等で使用または備蓄するためのマスクとして、買い取ることといたします。  この取り組みによりまして、調達の必要性が極めて高い指定医療機関等のマスクについては、安定的に確保できるようになるものと考えており、新型コロナウイルス感染症の第二波や第三波、さらには、将来の感染症への対策として、備えを着実に固めてまいります。  次に、県内飲食店の支援についてであります。  本県特有の文化である無尽の精神に着目して展開しております、無尽でお助け「めざせ!みんなで百億円」キャンペーンは、地域の飲食店を守りたい、盛り上げたいという熱い思いを持った方々が、自発的に動いていただく仕組みとなっております。  「皆さんで応援しましょう」という県の呼びかけに対して、多くの県民の皆様に御賛同を賜っており、この場をおかりいたしまして感謝を申し上げます。これこそ、本県の強みである県民の結束であり、まさに無尽の精神ではないでしょうか。  一方、大変大きな目標金額を掲げておりますことから、県産酒などが当たるプレゼント企画を計画しているところであり、こうした利用促進策を通じまして、県外からの観光客にも利用していただく仕組みづくりに取り組んでまいります。  また、事業の利用方法がわかりにくいとの御指摘を受け、現在の事業説明動画に加えまして、新たに参加者・事業者それぞれの目線での利用促進動画も作成し、理解促進に努めたいと考えております。  さらに、全県を挙げて取り組む体制を構築し、事業効果の拡大を図るために、事業の趣旨説明とともに、キャンペーンへの参加を促す呼びかけを、各市町村に対して行っております。  今後も、こうした取り組みに加えまして、新たに募集を開始するグリーン・ゾーン認証を取得した飲食店などには、還付率をかさ上げする措置を検討するなどをいたしまして、キャンペーンのさらなる利用促進を図り、本県の食文化や県民の食を支える存在である飲食店を県民の皆様とともに盛り上げて、地域経済の活性化に取り組んでまいります。  次に、県産農産物の販売対策についてであります。  本年四月以降、県では、百貨店や飲食店などの営業自粛によりまして、厳しい販売環境となった農家を支援するために、ハウス果実をふるさと納税の返礼品に加えるとともに、東京・大阪・愛知の各県人会の皆様に、山梨の支援をお願いし、果実の購入に御協力をいただきました。  また、先月から、山梨、静岡それぞれの県産品を購入し、生産者を支える「バイ・ふじのくに」の取り組みをスタートさせ、静岡県の川勝知事がサクランボ狩りにも訪れ、私も今月十五日に静岡県の漁港で海産物を購入するなど、両県トップの交流により、消費の促進を図っております。  さらに、今月の中旬から一昨日まで、静岡県内の百貨店や小売店の御協力のもとに、果実や野菜などの即売会を実施し、県産農産物のPRを行ったところであります。  これらの取り組みによりまして、サクランボ狩りにつきましては、本県への来訪者の四割以上が静岡県民であったことや、静岡県内の即売会では、旬の果実などが大好評であったことなど、販売促進に大きな効果があり、また、生産者への支援につながるとともに、今後の販路拡大に対しても大変強い手応えを感じたところであります。  今後の販売対策につきましては、まず、国内では、JAなどと協力をして、都内や大阪の卸売市場でのトップセールスなど、市場関係者への要請やメディアを活用した販売促進を通じまして、大都市圏の消費者へさらなる認知度の向上を図ってまいります。  また、本年度、試行的に販売をいたしました野菜の詰め合わせについては、大変御好評をいただいたため、果実、畜産物、水産物なども含めまして、一万二千セットにふやし、インターネットを活用し、宅配する費用の一部を助成することにより、首都圏を中心に山梨野菜などのファンを確保し、将来の販路開拓につなげることといたしました。  さらに、輸出につきましては、アジア圏の富裕層を対象に、SNSを活用した情報発信を行い、新型コロナウイルス収束後には、現地でのPR活動をするなど、効果的なプロモーションを実施してまいります。  今後も、生産者の所得向上を図るために、JAなど関係団体と連携をして、県産農産物の魅力を国内外に発信し、販路の拡大に積極的に取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症流行期の避難所運営への支援についてであります。  災害時に市町村が開設する避難所における感染症対策は喫緊の課題であり、議員御指摘のとおり、ハード面とソフト面、双方での対応が大変重要であります。  このため県では、まず避難所のハード面の支援といたしまして、ウイルスの飛沫感染を防止するための段ボール製の間仕切りや、簡易ベッドを被災のおそれのある市町村に提供する体制を整備するとともに、ホテルや旅館などを避難所として利用する際の費用の一部を助成する制度を新設することとしております。  加えて、避難所における感染症対策に必要なマスクや消毒液、防護服などの物資を備蓄することとし、必要に応じて市町村へ支給するプル型支援を充実してまいります。  次に、ソフト面での支援といたしまして、新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営マニュアルの作成指針を策定し、先日、市町村にお示ししたところであり、今後、各市町村がこの指針に基づいて、避難所における適切な感染症対策を講じることができるように支援を行ってまいります。  また、避難所運営を初め、地域の防災活動の中心となる人材を育成するために開催している地域防災リーダー養成講座に、本年度、新たに感染症対策のカリキュラムを加え、地域における感染症への対応力の向上を図っていくこととしております。  こうした取り組みを総合的に推進し、市町村が新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営を、円滑かつ的確に行えるように、最大限の支援を行ってまいります。  次に、ひきこもり対策についてであります。  県が平成二十七年度に行った実態調査では、ひきこもりの状態にある方のうち、四十歳以上の中高年層の割合は、約六〇%であったのに対しまして、昨年度のひきこもり地域支援センターへの相談件数では、その割合が二四%にとどまっており、中高年層の当事者を適切に相談へつなげていくことが課題であると考えております。  このため、県では本年度、中高年層の当事者のうち、七二%を占める四十代から五十代の方々が、より気軽に相談できるよう、新たにLINEを活用した相談窓口を開設し、その運営を家族会や民間支援団体に委託することによりまして、ひきこもり当事者に寄り添った相談ができる環境を整備してまいります。  あわせて、こうした相談窓口や県、市町村、民間団体などによる多種多様な支援情報を効果的に周知をしていくため、インターネット上に広告を掲載することにより、当事者を適切な支援につなげていくこととし、これらに要する経費を六月補正予算に計上したところであります。  また、不安定な就労や失業が、ひきこもりの一因にもなっているため、県では本年三月、就職氷河期世代就労支援対策本部を立ち上げ、県職員への採用や正規雇用をした企業への助成を行うとともに、五月に山梨労働局と設置した活躍支援プラットフォームにおきまして、経済団体や労働団体等と連携し、社会参加から就労まで、切れ目のない支援を行うこととしております。  さらに、本年度は当事者にとりまして、身近な市町村や民生委員・児童委員の協力をいただいて、平成二十七年度以来となる、ひきこもりに関する実態調査を実施することとしており、その結果を分析・検証し、今後の支援へと反映してまいります。  ひきこもりの状態にある中高年層の方が、地域や社会とのかかわりを深め、孤立することがないように、引き続き市町村を初め、福祉、教育、就労などの関係機関などと緊密な連携を図り、さまざまな手段を活用して、支援体制のさらなる強化に努めてまいります。  次に、子供の虐待防止対策についてであります。  まず、本県の児童相談所における相談件数についてですが、学校の休業措置がとられた三月から五月までの三カ月間に二百九十四件の相談があり、月ごとの増減はあるものの、全体では前年とほぼ同数となっております。  この間、休校が長期化し、学校で児童を見守る機会が減少したことから、県では市町村に対しまして、支援が必要な児童の状況を詳細に把握した上で、児童相談所と適時適切に情報共有を行うよう要請するなど、虐待事案の早期把握に努めてまいりました。  また、外出自粛影響もあって、親子の不安やストレスが蓄積し、虐待につながることが懸念されたため、新たに、こころの発達総合支援センター内に相談窓口を設置するとともに、不安やストレスの解消方法をホームページに掲載するなど、虐待の芽を早期に摘み取るための取り組みを進めているところであります。  次に、今後の虐待防止の取り組みについてでありますが、複雑化・深刻化する虐待を防止するためには、社会全体で連携し、協働していくことが重要であると考えております。  このため、県と市町村との連携を深める中で、県民に対しまして、虐待を絶対に許さないという決意を共同で発信するとともに、早期発見・早期対応の重要性を呼びかけてまいります。  また、本年度、医療や福祉、教育、司法など幅広い分野の関係機関から成る協議会を新たに設置した上で、関係機関相互の連携の強化を図り、実効性ある取り組みを推進してまいります。  こうした取り組みによりまして、全ての子供が、輝く未来を見詰め、健やかに成長することができる社会の構築を目指してまいります。  次に、県産木材の利用拡大に向けた取り組みについてであります。  県では、建築用途での県産木材の利用を進めるため、昨年度から、地域で生産した木材を、地域内において付加価値の高い製材品に加工し、住宅等の建築向けに安定的に供給する、サプライチェーンの強化に取り組んでいるところであります。  また、商工団体などと連携して立ち上げましたYamanashiウッド・チェンジ・ネットワークを活用し、本年度から、店舗などの建築を検討している事業者に対しまして、木材利用のメリットを伝え、木造化に向けたアドバイスを行うなどの活動を本格化させ、民間建築物への県産木材の利用を進めていくこととしております。  さらに、構造計算が義務づけられる中・大規模の木造建築物に使用する製材品につきましては、強度などを保証するJASの認証が必要となっていることから、県内の製材工場では初となる認証取得を支援することとし、所要の経費を六月補正予算に計上したところであります。今後、県内外の学校や商業施設での活用を働きかけてまいります。  こうした取り組みによりまして、県産木材の持つ、強度があり、木目が美しいなどのすぐれた特徴を生かして、建築物への活用を進めることで、県産木材のさらなる利用拡大を図ってまいります。  最後に、台風などによります災害対応についてであります。  昨年の台風十九号により被災した河川や道路などの県管理施設百カ所のうち、八十一カ所で復旧工事を進めており、比較的工事規模が小さい十八カ所は既に完成し、六十三カ所につきましては、年度内の完成を予定しております。  工事未着手の河川十九カ所につきましては、被害拡大防止の応急対策を実施したところでありますが、工事規模が大きく、出水期に洪水の影響を受けることから、十一月からの渇水期に直ちに着手することとし、次の出水期までの完成を目指してまいります。  また、災害防止の観点から、河川の流れを著しく阻害している区間において、河川内の樹木伐採や土砂の撤去を進めており、昨年度末までの三年間で、釜無川など百河川、延べ二百四十四キロメートルで実施したところでありますが、今後も財政的に有利な地方債を活用して推進してまいります。  さらに、住民の避難行動を支援するため、昨年度、県内二百二カ所に設置した水位計に加えまして、新たに十四河川、二十九カ所へ、河川監視カメラを設置し、本年七月末までに運用を開始することとしております。国が管理する河川の情報とあわせまして、インターネット上でわかりやすく、リアルタイムでお伝えすることとしております。  今後、これらの情報を広報紙や地域防災リーダー養成講座などのあらゆる機会を利用し、周知に努めるとともに、市町村と連携し、水害を想定した高所への避難訓練を実施するなど、県民の皆様の命を守るための取り組みを進めてまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長等からお答えをいたします。 18 ◯議長山田一功君)スポーツ振興局長、赤岡重人君。        (スポーツ振興局長 赤岡重人君登壇) 19 ◯スポーツ振興局長赤岡重人君)大柴議員の新たなアリーナの建設についての御質問にお答えします。  県では、厳しい財政状況のもと、公共施設における行政サービスを持続的に提供していくため、公共施設等総合管理計画を策定しており、既存スポーツ施設は、この計画に基づき、必要かつ適切な改修等を実施しながら、長寿命化を図ることとしております。  一方で、大規模な施設整備につきましては、一般論として多額の建設費や長期にわたり毎年継続して支出しなければならない多大な維持管理費を要することから、整備の必要性を十分に吟味しながら、財源の確保などの課題を慎重に検討して、是非を判断する必要があります。  さらに、県は令和十三年の国民体育大会の開催招致を目指しており、その会場につきまして、今後既存施設の活用を初め、必要となる施設のあり方の検討をしなければならないものと考えております。  新たなアリーナにつきましては、こうした課題を踏まえながら、適時に検討してまいりたいと考えております。
    20 ◯議長山田一功君)県民生活部長、丹澤尚人君。        (県民生活部長 丹澤尚人君登壇) 21 ◯県民生活部長丹澤尚人君)大柴議員の食文化の伝承についての御質問にお答えします。  その土地ならではの風土や歴史によって育まれた食文化を継承していくためには、県民一人一人が郷土食に対する理解を深め、愛着を持っていただくことが重要であり、小豆ぼうとうや、やこめなど、百七十を超える伝統的な料理を山梨の食に認定し、調理方法やその由来を広く紹介してまいりました。  また、昨年度は若い世代の方々にも郷土の食文化を、より身近に感じてもらえるよう、山梨の食をアレンジしたレシピコンテストを開催いたしましたところ、多くの皆様に関心を持っていただき、さまざまなアイデアをいただきました。  本年度は、コンテスト入賞作品のレシピ集を作成し、国内最大の料理レシピサイトなどに掲載することによりまして、広く周知をいたしますとともに、調理教室等での活用を促進していきたいと考えております。  また、本県の郷土料理を食べることができる店を、インターネットなどで幅広く紹介をし、本県の食や食文化の魅力を県内外にPRしてまいります。  さらに、本年度に改定する食育推進計画において、食文化の継承を重点施策の一つに位置づけ、県栄養士会を初め、郷土食の継承に取り組まれている団体や、食育推進ボランティアなど幅広い連携のもと、食文化の継承と、食文化を通じた地域の魅力発信に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 22 ◯議長山田一功君)福祉保健部長、小島良一君。        (福祉保健部長 小島良一君登壇) 23 ◯福祉保健部長小島良一君)大柴議員の国民健康保険における効果的な保健指導についての御質問にお答えをいたします。  一人当たりの医療費が高水準で推移する中、医療費の適正化を図るためには、きめ細やかな保健指導により、良好な健康状態を維持することはもちろん、慢性疾患の重症化を回避することが極めて重要であります。  そのためには、加入者の特定健診やレセプトなどのデータを分析しながら、重症化リスクの高い方を抽出し、効果が期待できる時期に、その方に合った有効な保健指導を行うことが必要であると考えております。  しかしながら、保健指導の主体となる市町村の多くにおいては、データ分析に関する十分なノウハウがないことから、分析結果に基づき、リスクの高い方の抽出方法や効果的な保健指導の手法等について、助言を行う専門家を市町村へ派遣するモデル事業を実施することとし、所要の経費を六月補正予算に計上したところであります。  本事業により得られた成果等につきましては、医療圏域ごとに研修会を開催する中で、全ての市町村に丁寧に説明し、データに基づく保健指導が全県下で展開できるよう取り組んでまいります。  この取り組みを通じ、医療費の適正化のみならず、県民の皆様が一層健康で生き生きとした生活が送れるよう、効果的な保健指導の実施に向けて、市町村を強力に支援をしてまいります。  以上でございます。 24 ◯議長山田一功君)産業労働部長、中澤和樹君。        (産業労働部長 中澤和樹君登壇) 25 ◯産業労働部長中澤和樹君)大柴議員の学生の就職活動や企業の採用活動の支援についての御質問にお答えいたします。  若者の県内企業への雇用の確保は、地域経済を初め、将来の人口動向をも左右する重要な課題であり、新型コロナウイルス感染症影響下にありましても、新規学卒者が県内企業の情報を把握し、希望する企業に就職できるよう、しっかりと支援していく必要があります。  このため、県では県内の中小企業と学生がオンラインでの情報交換ができるよう、ウエブによる採用活動を実施していない企業に対しまして、アドバイザーを派遣し、ノウハウ等の助言を行うとともに、県のホームページ上にウエブ就活の支援サイトを新設いたしました。  このサイトでは、ウエブによる採用活動を実施している県内企業を紹介し、動画による企業説明会やウエブによる個別企業訪問、ビデオ会議ソフトを使った合同就職説明会を実施してまいります。  さらに、学生と企業が直接コミュニケーションをとることができる機会を確保するため、感染症防止対策を十分に行った上で、対面による合同就職説明会を七月から九月にかけて開催することとしております。  今後も、こうした取り組みを通しまして、山梨労働局や経済団体とも連携しながら、学生の就職活動及び県内企業の採用活動の支援に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 26 ◯議長山田一功君)教育長、斉木邦彦君。        (教育長 斉木邦彦君登壇) 27 ◯教育長斉木邦彦君)大柴議員の小中学校におけるICT環境の早期整備についての御質問にお答えします。  学校教育におけるICTの活用は、子供たち一人一人の学習への興味・関心を高め、その理解を深めることにつながるとともに、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に資するものとして、非常に重要であると認識しております。  国においては、今回の臨時休業への対応も含め、児童生徒一人一台端末や高速通信ネットワークを中心に、学校のICT環境整備を加速化させるGIGAスクール構想を前倒しするなどの、令和二年度補正予算が先般成立したところであります。  県では、GIGAスクール構想において、市町村が行う情報端末の調達について事務負担を軽減する観点から、市町村の意向を確認しながら市町村総合事務組合が県全体の入札業務を行うこととしており、現在、入札執行に向けて細部の調整を行っているところであります。  また、昨今の教育におけるICT化の急激な進展に学校現場が対応できるようにするために、例えば、各教科等の授業において効果的にICTを活用した指導方法に関する研修など、教員のICT活用指導力の向上に向けた取り組みの一層の強化・充実を図ってまいります。  今後も、国などの動向を注視しつつ、県内全ての小中学校において、令和の時代にふさわしい学校ICT環境が整備されるよう、引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。 28 ◯議長山田一功君)当局の答弁が終わりました。  大柴邦彦君に申し上げます。再質問はありませんか。 29 ◯大柴邦彦君 ありません。 30 ◯議長山田一功君)これをもって、大柴邦彦君の代表質問を打ち切ります。       ─────────────────────────────────────── 31 ◯議長山田一功君)以上で、本日の日程は全部終了いたしました。  明六月二十四日、午後一時、会議を開き、代表質問及び一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                                          午後三時五十五分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Yamanashi Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...